自分に課している制限について

制限がすべてなくなってしまったら、自分はどういうふうに感じるのだろう?

こんばんは

神戸メンタルサービスの平です。

今回は、前回のお話の続きになります。

私たちは、成長の過程で恋愛に限らず、色々な制限を自分にかけていきます。

どんな人も、子供の頃には自分の感情をストレートに表現していた時期がありました。

しかし、どんどん成長していくにつれて、両親は社会のルールをあなたに教えていく必要に迫られますので、「しつけ」という形で、あなたに色々なことを禁止していきます。

「バスの中では、騒いじゃダメよ」とか、「ここでは、大きい声を出さないでおとなしくしていてちょうだいね」とか、「アイスクリームは1日1個まで」とか、「テレビゲームは1日30分まで」などなど、あなたの年とともに、色々な制限が増えていくのです。

この頃の私たちの一番欲しいものは、「両親に愛される」ということですから、両親に嫌われないように自分を制限していくわけです。

子供にとっては、「両親に嫌われてしまう」というのが一番の怖れですから、ここでの行動原則は、怖れを使って自分を制限し、愛を手に入れるということになります。

「一番欲しいと思っている愛を手に入れるためには、自分を制限しなければならない」という自己概念は、ここから作られていくいくのです。

これをそのまま大人の世界に持ち込んでしまうと、前回お話したように、男女関係でも、彼に嫌われないように自分を制限したり、コミュニケーションをしないで、彼に合わせるばかり、という恋愛形態になってしまうわけです。

大人でいるということは、子供時代のルールとは正反対に、好きなことをしていいし、自由に好きな人を選んでいいのです。

怖れから何かをするという子供時代に使っていたパターンから、ワクワクする気持ちを感じられる何かをするというパターンに変化させていく必要があるのです。

前回お話したように、結婚すると、あれもできなくなる、これもできなくなる、自由がなくなってしまう、という考え方もありますが、結婚することで、あなたが手に入れられるものもたくさんあるはずなのです。

みなさんが海外旅行に行きたいと思ったとします。

海外は、日本と比べると治安がよくないかもしれませんし、リスクも高いかもしれません。

でもそれ以上に、日本では味わえないような開放感や、すばらしい景色、見たこともないような美しい美術品や、古代の遺跡に触れるというすばらしい経験もできます。

みなさんは、海外旅行に行きたいと思うとき、「もし、私がこの国に行ったら、こんなこともしたいし、あんなこともしたい。あのすばらしい景色を見ながらコーヒーを飲みたい」などなど、色んなことを想像されるはずです。

そこで、みなさんが感じるのは本当に開放された感覚や自由な感じではないでしょうか?

それと同じように、結婚やパートナーを持つということで、あなたができるすばらしい経験というのは何なのでしょう?

「パートナーができたら、あんなこともしたいし、こんなこともしたい。彼と2人でこんなところにも行ってみたい」本当にすばらしい感情をパートナーと一緒に共有することも、可能なのです。

パートナーを持つことにあまり魅力を感じていない人は、パートナーとうまくいかなかったり、離婚なんかをしてしまったらどうしよう?という怖れの未来を想像してしまいがちなようです。

昔、あなたが10代の頃はきっと、パートナーシップや男女関係にとても多くの夢を持っていたはずです。男性や女性に幻滅してしまったり、がっかりしてしまった経験はなかったでしょうか?

それ以来、男女関係というのは、きっとこんなもんだ、とあまり多くを期待しなくなってしまったのかもしれません。

世の中には、とても多くの人がいて、それぞれに違うので、まったく同じ人というのは存在しませんが、あまりにも多様な関係が存在するを怖れて、「これはこういうものだ」と決め付けてしまうと、あなたの心が自由に反応することが奪われてしまいます。

自分にも人にもいつも限界を感じてしまい、「きっとこういうものだ」と決め付けすぎてはいないでしょうか?

男なんて、女なんて、人生なんて・・・もし、そう感じてしまうことがあったときに、それは何かあなたが限界を感じていることを示しています。

そして、その限界こそが、あなたが自分に課している制限なのです。

あまりにも当たり前になっていることかもしれませんが、自分はいったいどれほどの制限と規制を自分に課しているのか、チェックしてみてください。

そして、その制限がすべてなくなってしまったら、自分はどういうふうに感じるのだろう?と想像して、その感情を感じてみてください。

もし、あなたが、お金がなくてがまんしているとしたら、「もし、あり余るほどのお金があったとしたら、あなたは、どんな顔をして、どんなことをして毎日を過ごしているのか」を想像してみてください。

最高のパートナーが手に入り、あなたが遠慮することなくパートナーに甘えているとしたら、そのときにどんな感情を感じるか感じてみてください。

その感情が、すばらしいものであればあるほど、あなたはそれを手に入れるために何らかの行動を起こしはじめるでしょう。

来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。