問題があなたのおしりをたたいてくれる?
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
今回も、前回に引き続いて浮気に関する問題を取り上げます。
一般的に「浮気」というと、浮気がきっかけで夫婦の関係が破綻して離婚に至るというふうに考えられる方がとても多いと思います。
確かに、浮気という問題が夫婦やカップルの関係を壊していく大きな原因になることは言うまでもありません。
しかし、今日取り上げたいのは、浮気の問題が起きたことで2人の関係性がよりよくなったというケースです。
一般的に、男女関係で浮気が発覚したとき、それが即2人の関係の破綻につながったとしたら、いったいどれだけ多くの人が離婚をしてしまうのかを想像してみてください。
世の中には、だんな様や奥様が浮気をしたり、夫婦でなくてもカップルのうちのどちらかが浮気をしてしまったという問題は、とても多くあります。
では、そういったときにいったいどれくらいの人が離婚をしたり、パートナーシップを解消してしまうのでしょう?
正確なデーターはないのですが、当社のケースからすると7~8%です。
もちろん当社に来られる方は離婚したくないから来られるケースが圧倒的に多いのですが、実際にあなたのまわりでも、お友達や職場の人で浮気発覚が即、離婚やパートナーシップの解消になるという比率は、結婚していないカップルで3割程度、結婚しているカップルで1割未満というところではないでしょうか?
では、離婚もせず、カップル解消もしない人はいったいどうしているのでしょうか?
「この裏切り者!」と恨みながら生活したり、「自分に魅力がないからしょうがないの」と自分を責め続けるのでしょうか?
この浮気という問題をバネに2人が本当のパートナーシップを作ることに取り組もうとしない限り、2人の地獄は続いていくわけです。
ということは、浮気の問題が起こるときというのは、2人にとってとても大きなチャンスが来ているともいえるわけです。
パートナーの間で浮気があるということは、浮気した側にも浮気された側にも問題があるということを表しています。
浮気について相手とコミュニケーションすることが怖くて黙認してしまうようなケースも多数ありますが、これを黙認していると、さらに浮気をされたり、浮気相手との関係が深まるなどあなたにとってよいことは何一つ起こりません。
浮気をしたパートナーを責めてしまいたくなるのは、人情ですが、浮気があるということは彼があなたに昔ほど魅力は感じていないということを表しています。
その状態でさらにあなたが鬼のような形相で彼を追い詰めてしまえばしまうほど、そんなあなたに彼は魅力を感じるでしょうか?
浮気をされた側の心理としては、彼を責めている度合いだけ、自分を責めていることが多いのです。
あなたが浮気をした彼や彼女を責めたり、自分をどれだけ責めたとしてもあなたが魅力的になるはずはないのです。
あなたがより魅力的になるために何をすべきかがここでは一番大事なことなのです。
実際、カウンセリング現場では、色んなことが起こります。
あるご夫婦の浮気問題では、浮気をしただんな様側は「お前が俺を許してくれるはずなど絶対ないと思っていたし、俺はいつもお前のことが怖かった。お前はいつも全部俺が悪いように言うから俺はうんざりしていた」と言っていました。
しかし、カウンセリング現場で、奥様は「私は自分が本当に嫌な女だと思っていたし、いつかきっとあなたが私にうんざりして去ってしまうんじゃないかと思っていたの」と本音を話したのです。
さらに「あなたに捨てられたくない。あなたのことをとても大好きなの」とも言いました。
びっくりしたのはだんな様の方で、「だったら何でもっとやさしくしてくれなかったんだ。俺もお前にずっと嫌われているとしか感じていなかった」と奥様に涙ながらにコミュニケーションしたのです。
お互いにどこかで「自分は愛されていないんだ」と感じていたため、一方は浮気という形でその感情を表面化し、もう一方はやさしくてきないという形でコミュニケーションをしていたようです。
もちろん、奥様はだんな様を許しました。
そして、「彼女はきっと自分を許してくれないはずだ」と長い間思っていただんな様は、長い間欲しくてしょうがなかった奥様のやさしさに触れることができました。
こうして、この夫婦は長かった仮面夫婦の状態を脱することができ、今はとてもよい夫婦になっていらっしゃいます。
このご夫婦の口癖は、「あの事件がなかったら私たちはいったいどんな夫婦になっていたのかしら?」です。
私たちはついつい変化することに手を抜いてしまうのですが、問題があなたのおしりをたたいてくれて、それが2人のよりよい変化のきっかけになることも多いのです。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!