あなたの愛し方は、あなたが欲しかった愛し方

あなたは自分がどんな愛し方をしているか、知っていますか?

私の愛し方は、見ていること、そして反応すること。
実は、これは私が母から欲しかった愛し方なんです。

「ようちゃんって、SNSにほんとよくコメントしてるよね」
私はよくそう言われることがあります。

「いったいいつコメントしているの?」と聞かれて、「んー、したいときにしているだけだよ」と答えるのですが、私の答え方は聞いてくれた相手にはしっくりこなかったようです。

どうやら私が時間を割いて、一生懸命コメントしているように思っていたらしいのです。
私はただただ、好きでしているだけなんですけどね。

どうして私がSNSの投稿に「いいね」をしたり、コメントをしたいのか。
心理学を学ぶようになって、わかったことがあります。

私は二人姉妹の長女で、妹とは1歳5ヶ月しか離れていません。
私は1歳でお姉ちゃんになったわけです。
私だってまだ赤ちゃんで甘えていたいときに、お姉ちゃんをしないといけなくなったんですね。

妹の世話で大変そうに見えたのでしょうか。
母の役に立ちたい思いから、私は自分の欲しい愛し方を母からもらうのを諦めたようです。

あのとき私が欲しかったのは、母に「見ていてもらうこと」「反応してもらうこと」

妹が生まれたことで感じるようになった、ひとりで不安な気持ちとか寂しさとか、母に私のことを見ていてほしかった気持ち、抱っこしてほしかった気持ち。
今でもまだ、私の根っこの部分に残っています。

だから私は、友人たちのSNSの投稿に「いいね」をしたりコメントをすることで「いつもあなたのこと見てるよ、わかってるよ、ひとりじゃないよ」って、伝えたいんだと思うんです。

寂しかったあのときの自分を、勝手に友人たちに映し出して見ているんです。
自分が母から欲しかったけれどもらえていないと思った愛し方で、私の愛を表現しようとしているんです。

そう、私の愛し方は、私が母から欲しかった「見ている」「反応する」という愛し方なんです。

私の父の話もさせてください。

父は高校生の時に父親を亡くして、お金に困った経験や、悔しい思いをしたことがあると話してくれたことがあります。
今だからわかるのですが、そんな父の愛し方は、私たち家族に高価なものを買い与えることでした。

欲しくもないものを買ってもらっても私は全然嬉しくありませんでしたし、それが父の愛だなんて思ってもみませんでした。
的外れなものを買い与えられて、嫌悪感を感じたこともありました。

「こんなの欲しいなんて言ってないのに」「お父さんは趣味が悪い」と思ったりして、父の愛を全然受け取れていませんでした。
それが父の愛し方だったと知ったのは、心のことを学ぶようになってからなんです。

高校生の父が欲しかったのは、物やお金。
落ち着いた生活を送るためには、お金が必要だったでしょう。
お金があったら、父は安心できたのかもしれません。
お金があったら、父は悔しい思いをしなくてすんだのかもしれません。

だから父の愛し方はお金を使うこと、高価なものを私たちに与えることだったんです。

私は自分の欲しい愛し方ではなかったから、父の愛にずっと気づくことができませんでした。
でも本当は、私は父から愛されていたんです。

誰かのために料理を作ることが愛し方の人。
ワイシャツにアイロンをかけるのが愛し方の人。
働いて家族を養うことが愛し方の人。
話を聞いてあげることが愛し方の人。
否定しない、一緒にいる、笑顔でいる、触れること、助けること…。
100人いたら100通りの愛し方があります。

私や私の父がそうだったように、あなたの愛し方はあなたが欲しかった愛し方なのかもしれませんね。

そして、あなたの愛し方とは違う愛し方があることに、あなたは気づいているでしょうか。

「私がこれだけ愛しているのに、少しも愛してくれない」
そんな思いがあるとしたら、あなたの愛し方、あなたが欲しかった愛し方と、相手の愛し方、相手の欲しかった愛し方が違うだけなんだと思うんです。

あなたが愛されていないのではなくて、相手の愛し方を知らないだけなのかもしれません。
「私の愛し方はこうなんだよ」って、相手に伝えたことありますか?
「あなたの愛し方ってどんなふうなの?」聞いてみたことありますか?

愛し方は、本当に人それぞれです。
そこに愛が無いのではなくて、いろんな愛し方があることに気づくことができると、時をさかのぼって愛を受け取り直すこともできます。

本当は、あなたは愛されているのではありませんか。
ただ気がついていないだけなのではありませんか。

いろんな愛し方を知ることで、あなたの毎日が幸せにつながると嬉しいです。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

「私にはなんの魅力も価値もない」と自己嫌悪し、自分を隠してきた生きづらさを乗り越えたことから、お客さまの中に隠れている魅力や才能を引き出し、本来の自分らしさを取り戻すことを大切にしている。 やわらかな雰囲気を持ち、どんなことでもやさしく受けとめてもらえた、前向きになれる、と好評である。