自分の不出来なところを受け入れられると対人関係が上手くいく

自分の不出来なところを受け入れられると対人関係が上手くいく

自分の不出来なところや、不完全なところを嫌ったり、責めたりしていると、他人に見える同じ要素を嫌う気持ちや、責める気持ちが生じがちになり、これが対人関係が上手くいかなくなる要因になることがあります。逆に言うと、自分を受け入れることで対人関係が上手くいくこともあるのです。

●外の世界に見える自分の不出来さを責めたくなる

人は、ついつい自分の不出来なところや、不完全な部分を嫌ったり、責めてしまうことがあります。

自分の不出来なところや、不完全な部分を嫌ったり、責めてしまっていると、それを投影する外の世界に見える不出来なところや、不完全な部分を嫌ったり、責めたりしてしまいがちになります。

例えを使って、このことを説明しますね。

例えば、
自分の意思が弱いところを嫌っているAさんという人がいたとします。

Aさんは「今年の目標は、海外旅行に行って旅行先で出会った人と話せるようになりたい。その為に今年は英語の勉強するぞ」と思ったとします。

そう思ったので本屋で大量の英会話の本を買ってみたものの、日頃の忙しさにかまけて、なかなか手をつけられてなかったとします。

Aさんは、そんな有言不実行ぎみの自分の意思の弱いところを嫌っていたとします。
そして、その意志の弱さを責めて『このままじゃいけない』と思い英会話の本を開いて勉強をしだしたとします。
これは自分の意思の弱さを責めることを原動力にして英会話の勉強をしだしたと言えます。

そんなAさんに、お子さんが休日にアミューズメントパーク連れていって欲しいとお願いをしたとします。
Aさんはお子さんの願いを叶えてあげたいと思い、休日の土曜日にアミューズメントパークに連れて行くことにしました。

Aさんはお子さんにある条件をだしました。
「土曜日は丸一日遊びに行くことになるから、日曜日に土曜日の分もあわせて学校と塾の宿題をするなら連れていってあげるよ。約束できる?」
と。

その約束をもとに連れていくことにしました。

しかし、いざ日曜日になっても、お子さんは一向に宿題を始めません。

遊び疲れて気持ちがのらないお子さんは午前中は「疲れているから昼ご飯を食べてから宿題をする」と言い、昼食を食べ終わると「3時す
ぎくらいからする」と言い、3時をすぎると「夜にする」と言い、夜になっても「もうちょっとしてからする」と言い一向に始めません。
遊んでできた疲れに負けて、やると決めた意思を実行に移せないのです。

Aさんは自分の意思の弱さを責めることを原動力にして英会話の勉強をしていた人です。
結果的には英会話の勉強をしているものの、内面では自分の意思の弱さを嫌い、責めていたわけです。

そうすると外の世界に見える、意思の弱さという要素を嫌い、責めてしまいたくなる気持ちが湧き起こります。

お子さんの疲れに負けて、やると決めた意思を実行できないところを嫌い、責めてしまいたくなるのです。
「日曜日に宿題するっていう約束で遊びに言っただろう、なにをダラダラしているんだ(怒)」
と怒ってしまったりするのです。

●同じシーンでも違う対応の人はいる

同じシーンでも人によっては、一向に宿題をしだそうとしないお子さんをなだめ、すかし、持ち上げてやる気にさせようとする人もいます。

「 疲れてるんだったらしょうがないね。じゃあ今日は早く寝て、明日の朝早く起きてしなさい」と疲れに負けて意思を実行に移せないことに関して、そういうこともあると受け入れて代替え案を出す人もいます。

しかし、Aさんは自分の意思の弱さを嫌い、責めているので、外の世界に見える意志の弱さを嫌い、責めてしまいがちになってしまうわけです。

約束したことを守るのは大切なことだったとしても、声に出して相手を責めたり、感情的に怒ったりするとお子さんとの関係性が崩れてしまうかもしれません。これはリスクです。

仮に声に出して相手を責めたり、感情的に怒ったりするのをグッとこらえて声にだすことをこらえたとします。
関係性を崩すリスクを抑えられたとしても、ご自身のストレスにはなってしまいます。

そして、このようなことはお子さんとの関係に限ったことではなく、他の人との関係でも同じことがおこります。

パートナーシップでも、職場の人間関係でも、お友達関係でも、Aさんが自分の意志の弱さを嫌い、責めていると外の世界に見える意志の弱さの要素を嫌い、責めたくなり、対人関係での関係性が崩れるリスクが生じたり、対人関係でストレスが生じるシーンが作られたりしてしまいます。

逆に言うと、自分の自分の不出来なところや、不完全な部分を受け入れることができると、対人関係で人の不出来なところや、不完全なところを嫌ったり、責めたりしてしまいがちになることでのリスクを少なくしたり、ストレスを少なくできると言えます。

Aさんが
「意志を強く持つことができればすばらしいけど、意志が弱い面がある自分を責めたするのは辞めよう。仕事が忙しいと他に時間を回せないこともある。そういう時は意志を貫き通せないところもある自分を受けいれよう!」
と自分の不出来なところや不完全なところを許し、その自分を認め、受け入れていくことをしていくことができると、”外の世界に見える意志の弱さという要素”を嫌うことや、責めたくなる現象が起きなくなっていきます。

お子さんが疲れに負けて意思を実行に移せないシーンでも、感情的にならずに接することができるようになります。

お子さんとの関係だけではなく、パートナーシップでも、職場の人間関係でも、お友達関係でもリスクとストレスを少なくできるようになるわけです。

あなたの身にはAさんの例え話のようなことは起きていませんか?

●自分の不出来なところを受け入れるチャレンジをしてみては

自分の不出来なところや、不完全な部分を受け入れることに意味が見つからない時は、自分の不出来なところや、不完全なところを受けいれていこうという気持ちは湧いてこないかもしません。

しかし、対人関係で人の不出来なところや、不完全なところを嫌ったり、責めたりしてしまうことで、その人との関係性が崩れてしまうリスクを減らせたり(つまり対人関係が上手く行きやすくなるわけです)、対人関係でのストレスを減らせたりするのであれば、あなたにとって意味あることになるのではないでしょうか?

あなたの対人関係が上手く行きやすくなる為に、そして対人関係でのストレスが減っていけるようになる為にも、自分の不出来なところや不完全なところを許し、その自分を認め、受け入れていこうという意欲を持ってみてはいかがでしょう?

人は完璧ではありません。
完璧な人なんていないと思います。

もしあなたに不出来なところや、不完全なところがあったとしても、それを許してあげてくださいね。
そして、できれば不出来な面や、不完全な面があるご自身を「そういう面があってもいいんだ」と受け入れてあげてくださいね。

(完)

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この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。