富士山に登る 〜「いつかしたい」を「やってみた」に〜

「富士山に登ってみたい」と思ったことがありますか?
私もそう思う一人でした。
富士登山でなくても、「いつか〜したい」と思っていることって、何かしらあるのではないでしょうか。

「〜したい」と夢があるのは素晴らしいこと。
そして、本当に実現したいなら、「いつか」を「今」にする必要があります。

◆私にとっての富士山に登る理由

私は登山が趣味でもないのに、なぜか富士山にだけは「登りたい」と思っていました。
「日本一の山のてっぺんに立ってみたい」というのもありますが、どうやら「父親と行きたかった場所だから」という理由もあったようです。

私の父は何度も富士山に登っています。
若い頃の父が富士山に出かけるのを、当時幼なかった私は見送るばかりでした。
数年前に父が亡くなり、「父と一緒に富士山に登りたかったな」という心残りに気づいたのでした。

「〜したい」と望む理由は、人それぞれ。
いろいろな「私にとっての理由」があるのでしょう。

◆富士登山へのプロセス

富士登山ができるのは、夏季限定。
ひと夏を後回しにするごとに、ひとつ年をとり、中年の体力は厳しくなっていきます。
そこで、私は某感染症の外出自粛期間が終わったら「富士山に登ろう!」と決意しました。

漠然と「いつか〜したい」と望んでいた夢を、「私は実現する」と決めたわけです。
決めると、次は実現に向けて「どうやって?」と考えはじめます。

在宅勤務で筋力が落ちていた私は、まずは体力作りからのスタートです。
私は自力で運動を継続する自信がなかったので、ひとりでがんばるのは早々にあきらめました。
そこで、サボるとインストラクターさんから電話がかかってくるシステムのフィットネスに通うことにしました。
いったい何度、電話をもらったことか…。

自分でできないことは潔く認めて、何か他の方法を探す柔軟さも、目標実現のためには大切なことですよね。

そして、日々運動しながらタンパク質多めの食事を心がけ、服装・道具を準備して、高尾山・丹沢大山・筑波山・御岳山・金時山と練習登山にチャレンジしました。
ここまで一年くらいかかりました。

大きなゴールは富士登山、そこに辿り着くまでに「まずは〇〇」「次は△△」と小さなゴールをいくつも設定し、ひとつずつ達成・クリアしていく作戦です。

それから、いろいろな人に「私、今夏に富士山に登ります」と宣言しまくりました。

自分との約束だとつい「なかったこと」にしがちなタイプは、宣言して誰かとの約束にするとがんばりやすかったりします。
また、宣言すると、周囲からの応援を得やすくなり、モチベーション維持や励みにもなります。

◆いざ富士登山

2023年7月、いざ富士登山。
おかげさまで無事に登頂し、ご来光を拝むことができました。

さくっと報告していますが、現地では、いや、もう、ひたすら足を動かすのみでした。
必死すぎたのか、思ったほど感慨にひたる余裕がなかったのが実情です。
それでも、「体験できた」ことが喜びでした。

◆経験から思うこと 〜「やってみた」から感じられる世界〜

この経験から思うのは、「いつかしたい」ことは、自分から「やってみた」に変えていくものだということです。
「いつか」を待っているだけでは、どんどん時間が過ぎて行きます。

「いつか」を「今」にするのは、「やる!」と決める自分の意志です。
そして「どうやって?」と成し遂げる方法を考え、「今できる行動」を積み重ねた先に、「やってみた」という経験のご褒美があります。
実際に「やってみた」からこそ感じられる世界が、必ずあります。

◆父からのギフト

登る前は、富士山は私にとって「父との心残りの象徴」でした。
でも、富士山に登った後は、富士山を見るたびに「私、あの山のてっぺんまで登ったんだ!」と思うようになりました。

おおげさかもしれませんが、これからもずっと「富士山に登った」という自信を持っていられるでしょう。
何となくですが、「自信を持て」という父からのメッセージを受け取れた気がしています。

皆さまにとっての「いつかしたい」が「やってみた」になりますように。
そして、「やってみた」からこその気持ちが感じられますように。
私も応援しています。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。