好きな人がいるのに他の人に興味をもってしまうのはどうして?
パートナーのことは大好きなのに別の人が気になってしまうというのは、なんだか不思議な感じがしますよね。
「彼(彼女)とのデートは楽しいし、コミュニケーションもうまくいっている。相性もバッチリで、一緒にいて安心できるし居心地もいいから別れるなんて考えたこともない。」
「それなのに、どうしてか気になる人があらわれてしまう。ついその人を目で追ってしまうし、ふとその人のことを考えてしまうこともある。」
「一途にパートナーを愛し抜きたいと思っているのに、こんなに心が揺れてしまうのは、もしかしたらパートナーのことをそれほど愛していなかったのかな?」
「自分の思いに自信が持てなくて不安なる。もういっそのことパートナーとお別れして、気になる人にアプローチしてみようか?」
カウンセリングの現場では、こうしたお悩みを打ち明けてくださるクライアントさんと出会うことがあります。
今回はパートナーに不満はないはずなのに、他の人に魅力を感じて惹かれてしまう心理を解説します。
■私たちは自分と違うものに魅力を感じる
じつはこの心理、私たちにとって珍しいものではありません。
「えっ!みんな浮気性ってことなの?」
いえいえ違います。どういうことかというと、私たちには自分が持っていないものや、自分と違うものに惹かれる傾向があるからなのです。
そもそも私たちがパートナーに魅力を感じるのはどうしてだと思いますか?
たとえば、一般的に女性が男性に力強さやリーダーシップを求める。男性が女性に優しさや癒しを望むというのは、それらの要素が「自分には無い」と感じているからです。
先ほど申し上げたように、自分には無いものに惹かれる傾向が人間にはあります。
私たちが相手の中に「自分には無い」要素を見た時、その相手とパートナーシップを築くことによって「相手の要素を自分の中に取り入れたい」という方へ心が動くのです。
ここで大事なのは、相手に惹かれる要素を私たちが「自分には無い」と思い込んでいるだけで、その要素をまったく持っていないわけではない。ということです。
魅力を感じる、惹かれるということは「私もああなりたい」と思っている気持ちがあるからです。
私たちが惹かれる人というのは、「ああなりたい。でもなれない。」そう思っている自分の姿を映し出しているのかもしれません。
なお、このような私たちが無意識に感じている感情を相手に映し出すことを心理学では「投影」と呼んでいます。
■両方は手に入らないという思い込み
たとえば前向きでチャレンジ好きな人と、合理的で堅実な人。あるいは人気者で情に厚い人と、職人的で物静かな人。あなたが正反対のタイプの二人の間で心が揺れ動いているとします。
どちらにも決められない状況では、ついこんな思い込みに捉われてしまうようです。
「この相反する二つの魅力を両方とも持っている人なんてどこにもいない!」
でもそれは本当でしょうか?もしあなたが今まではチャレンジを避けて合理的な選択をするタイプだったとしたら、今は成長していて新しいジャンルに飛び込める前向きさを既に持っているのかもしれません。
あるいは、今までは職人的に自分の世界を築いていくタイプだったとしたら、ひょっとしたら今後はもっと周りの人たちとつながりながら自分を表現する生き方ができるようになっているのかもしれません。
あなたが惹かれる人が見せてくれるのが、あなたが両方の魅力を併せ持つ人になれる可能性だったとしら、ついつい気になってしまうのも無理はないですよね。
つまり、あなたがパートナー以外の人に魅力を感じるのは、どちらかしか手に入らないという思い込みを解放して、「どちらも手に入れていい」という新しい生き方へステップアップできる時だからだと言えるのです。
■次のステップに進むために必要なこと
パートナーと別の誰かとの魅力の間で心が揺れていて、どちらにも動けない時。
本当は動けないのでなく、動きたくない気持ちがあるとしたら。心のどこかで今のパートナーとの関係を前に進めたくないと思っているのかもしれません。
それはパートナーに飽きたからではなく、あなたが「今の自分のままでは自信が持てない」と感じているからなんですね。
今の状況は、あなたがずっと抱えてきた「私はこんな人だ」という自己概念を書き換えるチャンスが巡ってきたようなもの。
ここでは、今まで以上に幸せなパートナーシップが待つ次へのステップに進むために、あなたが「今までだったら選ばなかったこと」に手を付けることが必要です。
恋愛・夫婦関係で「絶対にやらなかったこと」にあえてチャレンジしてみる。または、あと一歩前に出て自分を表現してみる。
すると、新しいあなたが発揮する魅力を感じたパートナーは「今度は自分の番だ」とばかりに、あなたに追いつくように成長し新しい魅力を発揮し始めますからね。
パートナー以外の誰かに惹かれている時は、お互いに成長し合えるパートナーシップの一歩手前のところへ来たというサインなのです。
(完)