自分のニーズの原点について考えてみよう

子供時代に満たされなかったニーズは本当は愛されていたという視点を持つことで変えていける

パートナーに対して感じる「わかって欲しい」「愛して欲しい」等のニーズのルーツは、子供時代に遡ります。親が忙しくて言えなかった等の気持ちがあると、大人になってからその時の思いが無意識に再現されることがあるのです。「その時くれなかった誰かを理解する」チャレンジがニーズを扱える力になります。

誰もが持つ「わかって欲しい」「愛して欲しい」という気持ち。

このニーズはどうして生まれてくるのでしょうか。

今回の記事では、自分のニーズの原点について考えていきたいと思います。

子供時代は誰もがニーズを持っている

ニーズの原点は子供時代にある場合が多いようです。

大人になった今では、自分のニーズはとても厄介なものですが、子供時代は持っていて当たり前のものでした。

3歳の子供が「わたしの気持ちわかって欲しいなんて言ったら依存的ですよね」とは言いませんよね。

「僕が助けてと言ったら嫌いになるんだろ?」なんて思いません。

「わかって欲しい」に代表される感情は持っているのが自然なのです。

子供から大人になる成長過程でこのニーズは自分で扱えるようになっていきます。

ところが、子供時代にこの気持ちを抑圧したまま大人になってしまうと、甘えてもいい相手が見つかった時に、表に出てきてしまう、という場合もあります。

隠れていたこうした感情が今、パートナーを相手に出てきたのだとしたら。

「わかって欲しい」「愛して欲しい」等の自分のニーズは、目の前の相手にだけ感じている感情とは限らないと考えることもできます。

自覚できない場合も多いのですが、パートナーの態度が悪くて「わかってくれない!」と感じた時は、「あの時と同じだ!」と無意識に子供時代に我慢した時のことを思い出していることもあるのです。

例えば、こんな感じです。

「両親が共働きで、小学校の時には一人で留守番をしていた。帰宅したお母さんは夕飯の準備をするので忙しいのか、学校での出来事を話そうとしても『今日は疲れているから明日ね』と聞いてくれない。」

この出来事を思い出していたり、あるいは、この時の感情が浮上してきたとしたら、苦しくなっても無理はありませんよね。

パートナーに対して感じている不満がきっかけになって、隠れた過去のこうした感情があがってきているとしたら、

「また、あの時と同じことが起こった!。この人もわかってくれないんだ!」

という気持ちを感じているのかもしれないのです。

この気持ちは、子供時代に抑圧した大きさの度合いだけ、今こそ感じる時!と強く刺激してきたりします。

過去の思いの誤解を解くという視点を持つ

それではこの感情をどう扱ったらいいのでしょうか。

まずは、パートナーに感じている気持ちは過去に感じている気持ちと合わさってとても大きいものになっているのかもしれない、と思ってみてください。

これは、パートナーに対する不満や怒りは、自分が感じている大きさより小さいということです。

このことに気づくだけでも、パートナーへのこうした気持ちは減らすことができて、楽になります。

次のアプローチとしては、過去のこうした思いの誤解を解いていくという見方をしていきます。

今、パートナーに「またわかってもらえなかった!」と感じるのは、過去にわかってもらえなかったと感じているからですが、本当にそうだったのだろうか?という質問によって、さらに気づきを進めていくことができます。

私たちの心は悪いこと苦しいことほど覚えている傾向があると言われます。

今回の例で言えば、母親がいつも話を聞いてくれなかったという話も、実際は、話を聞いてくれなかった時もあったけれど、話を聞いて受け止めてくれた時もあったのかもしれません。

自分が全て悪いことにしてしまっているのではないか、という問いかけはとても大切です。

また、実際に話を聞いてくれなかったとしても、そこにはやむ得ない理由があったのかもしれません。

子供の時はわからなくても、大人になった今ならわかることもあります。

母親のやむ得ない理由に思いを馳せて「理解する」ことにチャレンジしてみましょう。

過去にわかってくれなかった、愛してくれなかった、と感じている人に対して、できない理由や状況があったのかもしれないと思って、その理由を探してみましょう。

例えば、「お母さんは本当に疲れ切っていて、私の話を聞くことができなかったのかもしれない。」

みたいに。

さらに、「本当は私の話を聞きたかったのかもしれない」

と思ってみます。

二つ目のところは抵抗を感じる方も多いと思うのですが、とても大切な視点になります。

別の言い方をすれば、その人の愛を見つけるという視点です。

お母さんの自分への愛を見つけるというチャレンジなんですね。

カウンセリングでは、こうしたことをご相談者さんと一緒にやっていきます。

理解して、その人の愛を探していくと、段々と、本当は愛してくれていた、愛されていたと感じられるようになっていきます。

ニーズのルーツが子供時代にあるのであれば、それを扱えるようになるためには、本当は愛されていたことに気づくことが役に立ちます。

(続)

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この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。