裏切られる怖れがあると、心を開くことが危険だと感じてしまいます
みなさんは、裏切られるのが怖いと感じることがありますか?
裏切られるのが怖いと、恋人など大切な人のことを自分が裏切ってしまうことがあるのです。その理由と対処法を、心理的な観点からご紹介します。
◇裏切られるのが怖いと、大切な人を裏切ってしまう心理的な理由
裏切られるのが怖いと大切な人を裏切ってしまう心理的理由は、「自分が信じ愛する人から愛されなくなる怖れ」があると、親密な関係になるのを避ける言動をしてしまうことから、逆に相手に「裏切られた」と感じさせてしまうというものです。
愛する人に、私たちは心を開いて自分を表現したり相手を受け入れたりしますが、裏切られる怖れがあると、自分が心を開くことが危険なことであるかのように感じられ、心を閉ざしてしまうといえます。
裏切られたり捨てられたりする前に自分から去る、相手を捨てる、相手を拒絶するなどの無意識の防衛をしてしまうと考えられます。
裏切られるのが怖いと大切な人を裏切ってしまう例には以下のものがあります。
– いいなと思う人にアプローチするが、振り向いてくれそうになると冷める
– 仲良しの二人が、これまでより関係性が進みそう(例えば結婚の話が出るなど)になると、急に相手の嫌なところが目について、どうしても生理的に受けつけられないなどと感じる
– 喧嘩をすると、「どう愛そうか」でなく「どう別れようか」と考える
自分では意識的に相手を裏切ろうとしているわけではないため、裏切っている自覚がなくても、相手は「裏切られた」と感じることが考えられるのですね。
・裏切られるのが怖いと感じる理由
誰でも裏切られることは好みませんが、私はきっと裏切られるんじゃないかという疑いを持っているとしたら、その原因は過去の経験によって学習したことにあると考えられます。
人は、経験し学習したことを「また起きるだろう」と感じてしまうのです。
これは、「投影」という心のしくみによるものです。
投影とは、心の中の感情や経験、出会った人などを、心の外の世界に無自覚に映し出して見ることです。
過去の経験というのは、たとえば信頼していた人にひどく傷つけられた、などということがあったとすると「私が信頼した人はきっと私を裏切るだろう」と思ってしまうことがあるのです。
◇裏切られるのが怖くて大切な人を裏切ってしまう状態を卒業するための、対処法
裏切られるのが怖くて大切な人を裏切ってしまう状態を卒業し、相手を心から愛せる自分になりたいと思われるなら、以下のことを試してみることをおすすめします。
・本心を言わない自分に気づく
裏切られるのが怖いと、無意識のうちに人と仲良くなるのを避け、大切な人にも心を開けないことが多いといえます。
「本心を言えていない」「我慢している」などに、気づくことが最初の一歩です。
気づくことができ、さらに、自分を変える必要があると思えれば、次の対処法に進めるでしょう
・相手とうまくいかないときこそ「本当の思い」を伝える
相手とうまくいかないときは、多くの場合、相手の悪いところに目が行き、
相手を「〜してよ!」「〜しないでよ!」などと責めたくなってしまうものです。
しかし、大好きな人とうまくいかないとき、あなたの本当の思いは、なんでしょうか。
「こんな状態は嫌だ、あなたとうまくやっていきたい」かもしれません。
「さびしい、あなたに一緒にいてほしい」かもしれません。
こんなことを伝えると、関係が一層悪化しそうな気がして我慢していませんか?
こういった本心は、伝えないと相手に分かってもらえないのはもちろんですが、自分でさえなかなか本心が分からないこともあるのですね。
ただ、「本当の思い」は攻撃ではないことが多く、勇気を出して相手に伝えると、二人の間の緊張が緩むように感じるかもしれません。
すると、「心を開くのは危険だ」というのは思い込みだったと、ご理解いただけるのではないでしょうか。
◇愛する人を大切にできるようになる秘訣は、自分から心を開くこと
愛する人を大切にできるようになる秘訣は、自分から心を開くことです。
とはいえ、素直になったからこそ裏切られたという思いがあると、心を開けないと感じることもあるかもしれません。
そういうときは、自分の心、過去の経験、そして自分自身を見つめ直していくことがおすすめです。
その中で「私は裏切られたくない一心で、肝心なときに人を避けてきた。でも本当は、温かなつながりを人一倍欲しているのかもしれないな」なんてことを思えたとしたら、
自分から相手の心に近づく恋愛に、チャレンジしてみたいと思えるかもしれませんよね。
ひとりで難しいときは、信頼できる人やカウンセラーにも相談してくださいね。
大切な人を安心して愛せるとしたら、あなたはどんな恋愛ができそうですか?愛する人と幸せに過ごしているあなたは、どんな表情をしているでしょうか。そんなことをイメージしながら、ぜひ自分の心と向き合ってみてはいかがでしょうか。
(完)