自分の心がよろこぶことがわからなくなると没個性的になっていく
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
私たちは子ども時代、さまざまな欲求をがまんし、抑圧することで、親に承認されるという体験をしました。
親の愛情を手に入れるためには、「○○が欲しい」、「○○したい」という欲求をがまんするにかぎるということを学んだわけです。
しかし、子ども時代を過ぎても、自分の欲しいものやしたいことをがまんするということが習慣のようになっていると、「自分はいったい誰が好きなのか」、「自分はなにがしたいのか」ということがわからなくなっていきます。
それによって見失っていくのが“あなたらしさ”です。
「私はどんな人に惹かれるのか‥‥?」
「私はどんなことをしているとき、心が躍るような楽しさを感じるのか‥‥?」
これらは、あなたらしさを知るための大切なヒントです。こうした要素が集まって、あなたの個性をつくっているのです。
ところが、「だれかのために、こうしなければいけない」とか、「期待に応えるためには、これをしなくては」といったことが多いと、自分のことがあとまわしになりがちです。
すると、自分の心がよろこぶことがわからなくなっていき、あなたは没個性的になっていきます。
うれしい、楽しいといった感情がわからなくなると、感情表現もなくなってしまいます。
日本人はよく“がまんの民族”といわれます。
それは、天災が起きたときの避難所などでは、だれもが規律を守るという優れた国民性として表れますが、また別の場所では、「自己主張しないから、なにを考えているのかさっぱりわからない」といわれる要因にもなっています。
そして、恋愛においては、パートナーから「きみはなにを考えているかわからない」と言われてしまうのだとしたら、それはマイナスにしかなりませんよね。
パートナーは「なにをすれば、きみをよろこばせることができるのだろう」と考えています。
しかし、肝心のあなたがなにを考えているのかわからないのだとしたら、「なにをしてあげればいいのかわからない」となってしまいます。
さらに、「そもそも、ぼくといっしょにいて楽しいのだろうか?」と思わせてしまいそうです。それでは恋愛もうまくいきませんね。
恋愛に不可欠な要素はときめきです。
たとえば、まわりの人たちから「あんな男、やめときなよ」と言われても、どんどんその彼に惹かれてしまうということがあるのも、あるいは、あらゆる条件を完ぺきに備えた人を紹介されても、まったく心が動かないということがあるのも、そこにときめきがあるかどうかがその理由だったりします。
言い換えれば、あなたの心がどんなとき、どんなものにときめくかが、あなたらしさであり、あなたの個性だと言ってもよいでしょう。
恋愛において、あなた自身が感じていることを言葉や態度で表現し、パートナーにわかってもらうことはとても大切です。
子どものころは、言わなくても親にはわかってもらえたかもしれません。が、大人の世界では、たとえ身近なパートナーであっても、言わないとなかなか理解してもらうことはできないのです。
日本では「そんなこと、言わなくてもわかるでしょ」ということが多いのですが、実際は言わないとわかってもらえないのが真実です。
ときには、伝えたいがゆえに、強い言葉を使わなくてはならないケースもあるでしょう。
それでも、少なくとも、あなたがその状況でどんなことを感じる人なのかは伝えておいたほうがよいですよ。
そうでないと、パートナーはあなたをよろこばせるためにはなにをすればいいか、いつまでたってもわからないままになってしまうのです。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!