パートナーシップの問題の理由として、強い競争の心理が働いているケースがあります
競争の心理とは
さて、「競争の心理」とは、私たちが日常生活の中で「競争に勝ち残ることが成功だ」と思うことを指します。
これは「幸せであること=競争に勝つことだ」という認識によって成立しています。
逆に言えば、幸せは愛情や人とのつながりだけでは成立しないという誤解から生じているとも言えます。
よって、いつまでも続く競争の中に身を投じ、戦い、人の愛や優しさを忘れ、支えあえない人間関係の中で疲弊していくという、自立の問題が存在するのです。
また、競争心には「あいつには負けたくない」という気持ちだけでなく、「あいつには勝てない」という敗北感も含まれます。
パートナーシップの中で競争の心理が強く働くと、パートナーと激しいケンカを引き起こしたり、相手の価値観を否定するような言動を続けたり、二人の間に常に勝者と敗者ができあがり、対等な関係になることが難しくなります。
競争の心理がもたらすパートナーシップの問題
「ある女性の話。
その女性は結婚して家庭に入りました。それはご主人に意向に従って主婦になったものでした。
ただ、本当は仕事が好きで結婚後も続けたかったその女性。
実はあまり仕事に前向きではないご主人を見ていて、徐々にご主人の仕事や収入に対してくすぶる気持ちが押さえられくなってきました。
「なんでもっと稼げないのか?」「私だったらこうするのに・・・」
そんな思いがふつふつと湧き出してきたのです。
もちろん、結婚する際、ご主人の意向を受け入れたのも、その女性のご主人を思う気持ちからの選択でした。
ただ、だからこそ「私は大切な仕事を手放してまであなたとの生活を選んだのに!」といった、ご主人に対するくすぶる気持ちが消えず、ついに激しいケンカを引き起こします。
そんな生活を続けた結果、ご主人はやりこめられてしまい、次第に家に帰ってこなくなったのでした」。
*
実はこの事例以外にも、恋愛・夫婦生活の中でのさまざまな場面で、競争は起きるものなのです。
例えば、
パートナーがいつもトイレやお風呂の電気をつけたまま消し忘れて、イライラする。
など、二人で決めた生活のルールを守れない場合などもそれにあたるのですね。
競争の心理と恋愛・パートナーシップの問題は正しさから生じる
さて、このような競争の心理と恋愛・パートナーシップの問題は正しさから生じる事が多いです。
先の事例であれば「結婚する際、ご主人の意向を受け入れたのも、その女性のご主人を思う気持ちからの選択」という部分です。
自分としての正解、正しさ、相手を思う気持ち。それはとても価値のあるものですよね。
しかし、その価値のあるものを相手と十分コミュニケーションせず、いわば一人で覚悟して与えようとする場合もあると思うのです。
すると、たとえ愛する人に対する思いであっても、それがいつしか正しさになり、「相手にわからせたい」「相手にこちらの意見を受け入れさせたい」といった思いに駆られることがあるのです。
つまり、多く、このような競争の心理からパートナーシップの問題を抱えておられる方とは、そもそも相手を思う気持ちを持っている人、となるのですね。
だからこそ、その気持ちが相手に伝わらないことでモヤモヤ、イライラし、相手を攻撃したり批判してしまうこともあるようです。
競争の心理から生じる恋愛・パートナーシップの問題を抜け出す方法
競争の心理から生じる恋愛・パートナーシップの問題を抜け出す方法は、すばりコミュニケーション、分かち合いです。
自分なりの愛情や相手への気持ちを、お互いに表現することなんですね。
お互いに相手への思いがある、その思いから出てくる正しさがある、と理解して、その上で、きちんと話し合うことなんです。
それはまるで、「お互いの愛情や思いをよく知り合う」ということなのだと思います。
ただ、このコミュニケーションに抵抗を感じる方も実際にはいらっしゃるようなのです。
とかく自立されている方は「言わなくてもわかるはず」「相手に察してほしい」と言わんばかりの態度を示されたり。
「相手には相手の考えがあるだろうから」と譲り、こちらの思いを伝えない遠慮深い方もいらっしゃいます。
この「相手への遠慮」も実は正しさだったってお気づきでしょうか?それが相手にとっていいことだという個人の判断という意味で。
そんななかなか想いを交わし合えない方は、こんなふうに考えてみてはいかがでしょうか。
「私が欲しいのは正しさなのか?それとも幸せなのか?」
もう一度幸せを目的にして選択するということは、もう一度気持ちを伝え合い、関わり合うことを選ぶこと。
その視点を持ったとき、競争の心理からのパートナーシップの問題は解決の方向に向かうことも多いようですよ。
(続)