ストレスによってアトピーやアレルギー症状に悩まされるようになってしまった男性の発想の転換からの転身
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
彼はメーカー勤務で、いつも納期に追われる納入担当の管理職でした。
営業さんからは、「いついつまでに納めてくれ」と要求されるわけですが、当然ながら、早ければ早いほどお客様にはよろこばれます。
といっても、工場でのモノづくりには時間がかかるもので、計画以上の売上があると会社的には潤うわけですが、工場では残業が増えたりするので現場の人々には渋い顔をされます。
で、営業からは「納期が遅い」、「せっかく取ってきた仕事なのに」と文句を言われ、工場からは「そんな急な増産ができるわけないだろう」と厳しく断られ、双方の調整役のような役割の彼は、いつもあちこちに頭を下げているわけです。
彼という潤滑油がいるからこそ、会社はうまくまわっているのですが、その彼が40歳を過ぎたころ、ストレスによってアトピーやアレルギーのひどい症状に悩まされるようになってしまいました。
症状の多くは痒みですが、心理的に見て、痒みというものは、痛みより苦痛が大きく、「溜め込みすぎた怒りや、飲み込みすぎたストレス」を表すといわれています。
会社も彼のたいへんさは理解しており、「長めの休息をとってみたら‥‥」とすすめてくれたりはします。
といっても、3~4日休んだところで、休み明けにはもっと過酷な仕事が待っているだけなので、それを考えるだけで休む気にはなりません。
それでも、3日ほど休みをもらって、あるとき、彼は実家に帰ってみたのです。
その間に会った同級生からこんなことを提案されました。
「体を壊してまで働くぐらいなら、実家に帰って、米や野菜を作ったらどうだ?」
いま、地方ではお客さんが高齢化しており、田畑はものすごく余っている状態です。
彼が興味をもって調べてみると、昨今、無農薬農法をはじめとしたこだわりの米や野菜は高価で取引されているということを知りました。
そして、そこには、自分がメーカーで経験してきたことを、そのまま生かすことができそうだということに彼は気づいたのです。
つまり、米や野菜の消費者はこれまでの会社のクライアント、お百姓さんは工場の人々。
「消費者がどのような製品を求めているかという声に耳を傾け、それに合わせた農作物を作って販売すればよいのではないか?」
農家がいつも作っているものを市場に出すという従来の方法とはまさに逆の発想であり、各地の農家の人々に「こんな米や野菜は作っていないか?」、「よかったら生産してみてもらえないか?」とお願いしてまわるということをはじめたのです。
そして、作ってもらった農作物を市場に出してみたところ、大当たり! 彼の人生は劇的に変化しはじめて、なんと、農作物を求めて訪ねた農家のとある女性と結婚するというご縁にまで恵まれたのです。
彼は勤務先のメーカーを辞めようとしていたとき、私どものセミナーを受けにきてくれました。
そのとき、私は彼にこんなアドバイスをしていました。
「いままでのキャリアがすべて生かせること、かつ、まったくストレスがないこととはどういうものなんでしょうね? それが、あなたの人生にとっての“真実”だと思いますよ」
その課題に対する彼の答えが、その後の転身だったようです。
彼は、多くの販売店さんに、「どんな農作物なら、お客様が喜び、買ってくださいますか?」という、お百姓さんならまずやらないであろうマーケティングというところから仕事をはじめていきました。
それは、現在の奥さまに、「どのような男性なら、あなたのおムコさん候補になれますか」とアプローチするのにも役に立ったようですよ。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!