●幼少期のさみしかった体験が恋愛に影を落とす
子どもの頃にさみしかったり、悲しかったり等の体験があり、その頃の感情が処理されきれずに、心の中に残ってしまうことがあります。
そして、その心の中に残ってしまった感情が大人になっての恋愛にネガティブな影響を及ぼすことがあります。
逆に、その残ってしまっている感情を消化してしまうことで、恋愛にポジティブな影響がでる形に変化することが多々あります。
今回は、そのケースをご紹介したいと思います。
●彼の愛が冷めてきているのを感じる女性がとった行動
パートナーシップが上手くいっていない女性がいました。
その女性は、彼と一緒にいても不満を感じる時間が増えていました。
また彼女的は、彼氏からの自分への愛情が昔より目減りしているようにも感じていました。
それは以前よりも、彼氏からの優しい言葉や、愛情表現と思える言葉が減っていたからです。
その女性は自分と向かいあい、自分はパートナーシップをどんな姿勢で臨んでいるか考えることにしました。
そうすると、ある姿勢でパートナーシップに臨んでいたことに気づきました!
その姿勢とは・・・・
その女性は彼に対して、
“あなたが私が望む愛し方で満たしてくれたら、私はあなたが気分が良くいられるよう愛してあげてもいいわ。”
“でも、あなたは私の望むものを充分くれていないのに、私はあなたに愛をたくさん送るというのはしたくありません“
という姿勢でパートナーシップに望んでいたことに気づきました。
これは、“先に私のことを満たしてちょうだいよ”という依存的な姿勢でもあり、“私の気に入る形で愛をいっぱいくれたら私も考えなくもないいですよ”という交換条件のような態度でもあります。
このことに気づいた彼女は、これではパートナーシップ上手く行くはずがないと思いました。
「こんな女は私が男だったら、そりゃあ愛したくはなくなっていくなぁ・・・」
と彼女は思ったんです。
そして、彼女はこうも思いました。
『私が彼に対して、先に私のことを満たしてくれていない彼に対して、私は優しさや思いやりがかける態度をしたり、イライラをぶつけたりと悪い態度をとっていたなぁ・・・。
そんな悪い態度が続いていたから、彼の心から私に優しくたいという気持ちが少しずつ消えていったんだろうなぁ・・・』
と彼女は思いました。
●彼に愛を送ると決めたはずが怒ってしまう
そして、彼女は自分の彼に対する姿勢を改めることを決めました。
彼女は、
“彼がどうであろうと、私は彼に愛を送り続けよう。私は愛を止めないでおこう!”
その姿勢でパートナーシップに臨むことを決めました。
しかし、いざ実践しようとするとうまくいかないこともありました。
頭では彼がどうであろうと私は彼に愛を送り続けようと思っているのですが、心はついていきません。
彼がどうであるかに心は振りまわされるんです。
彼は、ここ最近仕事が忙しくなっているようで肉体的にも、精神的にも疲れていることが多いようで、デートも彼のお家か、彼女のお家で会うというお家デートが多くなっていました。
お家デートでは、疲れている彼はグゥグゥ眠ってることも多いそうです。
彼女は思います。
「最近は私の家で寝ているか、自分の家で寝ているかで、私のためにエネルギーをさいてくれていない。
もっと私と関わる時間をとりなさいよ」
と怒りの気持ちが湧いてきてしまいます。
そして、そんな彼になんで私が愛を送らなきゃいけないのよというモードになってしまいます。
当初決めた、
“彼がどうであろうと、私は彼に愛を送り続けよう。私は愛を止めないでおこう!”
が上手くできない気持ちになってしまいます。
そして時間がたち、怒っていた気持ちが落ち着いて冷静になると、私と関わる時間をとりなさいよと彼に求めて怒ってしまう自分に自己嫌悪をしてしまいます。
そして反省して、再び彼に愛を送り続けようと思い直すのですが、しかし、また、彼に彼に私と関わる時間をとりなさいよと腹を立ててしまうという繰り返しの恋愛になっていました。
●恋愛のパターンが判明
そんな状況打破しようと彼女はカウンセリングの門を叩いてくれました。
そんな彼女に原が尋ねました。
「 お家デートで眠ってしまう彼を見て
“ こんなに疲れてるんだったら家で一人で寝てれば良いのに、私に会いに来ようとするのはそれだけ私のこと好きなんだろうなぁ”
と思い、愛おしく感じる反応がでる人もいれば、
”もっと私に関わる時間を取りなさいよ”と思い怒りという反応ででる人もいます。
同じシチュエーションでも捉え方は人それぞれなんですが、どちらかというと後者の怒りという反応がでてくるんですね。
私に関わる時間を充分とってくれていないという思い怒りがでてくるのは、今回の彼との関係だけですか?
それとも彼以外の相手でも、そんな気持ちになることが多いのでしょうか?」
と質問をしました。
すると、恋愛では、歴代彼氏に対して、そんな気持ちになることが多い恋愛をしていたとのことでした。
どうやら、
“私と関わる時間をとってくれていない”という気持ちに陥り、感情的にふりまわせれたり、悪い態度になってしまったり、それによって恋愛が上手く行かなくなるのが彼女の恋愛パターンでした。
原から彼女に、
“自分に関わる時間をとってくれていない”という気持ちはいつ頃から感じがちなのか?を尋ねました。
すると、
彼女の子どもの頃の体験の話が出てきました。
●子ども時代の体験
彼女には弟さんがいたのですが、幼少期の弟さんは体が弱く、幼い頃は長らく入院生活をする時期がありました。
弟さんが入院してる時は、昼間はお母さんが付き添いをし、夜はお母さんか、仕事帰りのお父さんが病院に行き交代で泊まり込んで付き添いをしていたそうです。
お父さんが泊まり込んで付き添いをしてるのはお母さんがお家に帰ってくるし、お母さんが泊まり込んで付き添いをしてる時は、お父さんがお家に帰ってきます。
帰ってくるのですが、泊まり込みの付き添いで疲労が溜まっているご両親はお家に帰って来ると早々に寝てしまいます。
その為、幼い頃の彼女は、お家に帰ってきたご両親に聞いて欲しい話があっても充分にはその時間はとれず、ご両親と一緒に遊ぶなどの時間も充分には取れてなかったそうです。
休みの日は平日よりも時間はとれるものの、やはり疲れているので彼女が満足するほど充分に時間は取れません。
彼女は、ご両親とのふれあいや、心の交流の時間が取れないのは寂しかったそうです。
お父さんやお母さんに、もっと関わって欲しい、私のために時間をとって欲しいという思いはあったそうです。
しかし、彼女は寂しいと言うのはご両親には言わなかったそうです。
私にもっと関わって欲しい、私のために時間をとって欲しいも言いませんでした。
なぜならば、弟が病気なのも、付き添いでお父さんやお母さんがクタクタに なって帰ってきて眠ってしまうのも仕方がないことだと思っていたし、そんなお父さん、お母さんに寂しいと言うと、両親に 辛い思いをさしてしまうと 思ったのでご両親には言わなかったそうです。
両親だけではなく、祖父母や親戚にも誰にも言いませんでした。
誰かの口から両親の耳に入ると2人を困らせる と思ったからです。
私は、その話を聞いて、やさしい子だなぁと思うと同時に、一人で寂しい気持ちを飲み込んで頑張っている彼女の子どもの時代を想像するとせつない気持ちになりました。
私は彼女に言いました。
「家族を助ける為に、ガマンをいっぱいしてきたんですね」
すると、彼女の目から、ポロポロ、ポロポロ涙が溢れてきました。
さみしさをガマンして、心の中に押し込めてたものがいっぱい溢れてきたんです。
涙がでるというのは、まだ終わっていない思いがある、印(しるし)なんですね。
●インナーチャイルドワークを使って恋愛パターンを変える
カウンセリングを進めていくと、
彼女の心の中に”子ども時代の親に自分との時間をとってほしい、自分との関わりを持ってほしい”
という満たされていない思いがあり、それを彼との関係で埋めようという心が動いていたことがわかりました。
もちろん、これは彼女が意識してやっていることではなく、無自覚のうちにおこっている心の動きです
つまり、一人の女性として彼氏に”私と関わる時間をとってほしい”という思いがあるに加えて、子ども時代にお父さんとお母さんとの関係で満たされていない分の”私と関わる時間をとってほしい”という思いの分まで彼に求めていたので、彼に対して過度な依存的な思いを抱くことになっていたんです。
子ども時代のお父さんとお母さんとの関係での満たされていない思いが過度の依存心を生みだしているわけですので、逆に考えていくと、心の中に残っている子ども時代の満たされていない思いを癒やすことができると適度な欲求に変わっていくと考えられます。
適度な欲求に変わっていくと、感情に振りまわされることなく、彼がどうであろうと私は彼に愛を送り続けようと彼女が決めたことをしやすくなっていく恋愛になっていくわけです。
その為、彼女と子ども時代の満たされていない思い、がまんをしてきたさみしさなどを癒していくことを取り組むことにしました。
インナーチャイルドワークといって、子ども時代の自分をイメージしながら、その時の気持ちに触れていき、感情を解放していく瞑想を何度も彼女としていきました。
また、さみしくてもそれを言わずにガマンをする形で、弟や、両親を助けようとしてきた自分のことを承認することもしていきました。
そうすることで自分のことをすばらしい存在と思い、自己肯定感をあげていくこともしていきました。
そうやって、まだ終わっていない子どもの頃の気持ちを癒していくことをしていきました。
●良くなっていった恋愛パターンと戻ってきた彼の愛
癒やしていくと、どうなったかというと・・・・
お父さんとお母さんに私と関わる時間をとってほしかったという心に滞留していた思いが浄化されて無くなっていったので、お父さんとお母さんとの関係で満たされなかった分を彼氏との関係で埋めようとする心の動きも無くなっていきました。
彼女が決めた、“彼がどうであろうと、私は彼に愛を送り続けよう。私は愛を止めないでおこう!”という思いをやり通すことを難しくしていた “過度な依存心”が無くなってしまったので、彼に上手く愛を送り続けれるようになっていきました。
愛を送り続けれるようになった彼女は、愛することの喜び、満足感を得られる時間が大幅に増えました。
また、
依存心が減ったので彼に対して、彼がどういう態度でいるのか、どんなことをしてくれるのかによって腹がたったり、さみしくなったり、自己嫌悪に陥ったりする等、彼女の心が振りまわされることが無くなりました。
彼女の心は穏やかでいつづける形で安定していったのです。
そして、
依存心が強かった時は、心の満たされない時にでてくる怒りや、さみしさ、自己嫌悪などの負の感情が邪魔して受け取りにくくなっていた彼の愛をより感じやすくなりました。
例えば、彼は、いつも通りお家デートでは疲れてグゥグゥ寝てはしまうものの、その彼を見て彼女は、
『疲れていてもも私に会いにきて私との時間と関わりをもとうとするのは、それだけ私のことを大切に思っているんだろうなぁ』
という感じ方に変わったのです。
これって、すごくないですか?
彼はいっさい何も変わっていないのに、彼女が彼との関係で感じる感情は、”彼に大切に思われている”という感じ方に変わったのです!
もう一つすごいことが起きました!!
彼からの彼女に対する思いやりの言葉、優しい言葉が増えていったそうです。
例えば、
彼女が職場であったことを彼に話したりすると「いつも頑張っているよね」とねぎらってくれる言葉をかけてくれたり、彼女がちょっと疲れている時は「今日は元気なさそうに見えるけど気のせい?」と気づいて気にかけてくれる言葉をかけてくれたり、日常のちょっとしたシーンに前よりも彼からの思いやりの言葉、優しい言葉が増えたそうです。
それは多分、
彼女が彼氏に対して愛を送る姿勢で接し、思いやりと優しさを持った言葉を使うことが増えたので、彼もそんな彼女に、今までよりも愛したい気持ちになり、思いやりや、優しさの言葉が増えたのでしょう。
“私と関わる時間をとってくれていない”という気持ちに陥り恋愛が上手く行かなくなるのが彼女の恋愛パターンだったのですが、子どもの頃の体験を癒すことで、彼女の心は安定し、彼を愛する喜びの時間が増えて、そして彼からも愛が帰ってくる愛の循環がおこる恋愛パターンに変わったのでした。
●まとめ
子どもの頃のつらい感情を伴う体験が恋愛に影響を与えているケースは少なくありません。
しかし、つらかった思いを話して感情を外に流していったり、インナーチャイルドワークなどの方法で過去のつらかった思いを浄化していくと、恋愛のパターンが変わった事例は多々あります。
今回の事例が、同じような悩みを抱えている方にとって、ヒントや、希望の光となれば幸いです。
(続)