新しいことにチャレンジしていく時、不安と意欲が交互に押し寄せてくることはよくあることです。
これまでの過程と現状を把握しておくこと、目的や目標を持ってチャレンジしていくことが、このジレンマを乗り越えるコツになります。
目的が変われば、目標も変わり、見ること、学ぶこと、考えること、やることすべてがどんどん変わっていきます。
そして、それらを整理することで、「ここは自分が乗り越えたいポイントだ!」と気付けるようになり、「まずはここまで!」とステップを刻みながら踏み出せるようになるのではないでしょうか。
人に合わせ過ぎない自分を築くには、まずは自分が何をしたい人なのか、明確にしてあげることが大切なのです。
◎リクエストを頂きました◎
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私は人とは誰にでも明るく、変わらない態度で接するので知り合いはすごく多いのですが、自分の本音を言うのが苦手で、相手に合わせ過ぎてしまうのが嫌です。
というより、そんな自分に疲れて、自分が何者かわからなくなってしまいます。
あんまり感情をもろにださないため、「どんな時に泣いたり、怒ったりする?」「嫌いな人いる?」って聞かれたりします。
八方美人を卒業したいです。
確固たる自分を築くにはどうしたらいいでしょうか?
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何で自分を隠してしまうのか?
「愛されていない」と思うことで愛されなくなることを怖れ、「嫌われた」と思うことで嫌われないようにいい人になろうとする。
否定的な思いは、分離感や疎外感となり、 “安全な場所がない”、“居場所がない”という感覚とくっついていることがあります。
私たちは家族という最小単位の集団から学校や会社や社会というコミュニティーの中での関係性を通じて、様々な経験を積んでいきますが、この類の怖れの度合いだけ「人から受け入れてもらえるかどうか?」ということが大きな関心ごとになるのです。このときに陥りがちなのが、我慢や抑圧というやり方ですね。
自分でも気づかないうちに、人の話を聴く=自分の話しはしなくてもいい、そんなポジションについてしまうことも。相手に合わせ過ぎてしまうというのも、この怖れがあるためにしてしまう反応なんです。
「自分は受け入れてもらえないかもしれない」そのような怖れや不安から自分を隠している時期を過ごす、つまり、それくらい自分を知ってもらうことを控えてきた過程があるのです。
すでに受け入れられている場所があるから
ところで、私たちは、“安全・安心な土台”なくして、人前で自由な表現をすることができません。
すでに受け入れられているという安全な場所、居場所があるから、本音で話せる自分を表現してみたくなっているのです(笑)
それは、「どうせわかってもらえない」といったあきらめや「受け入れてもらえないかもしれない」などの怖れや緊張が緩んで安心しはじめている証拠なのです。
一方で、自己開示や感情表現が少ないと、親密な関係にはなりにくいので、次第に淋しさを覚えるもの。知り合いは多いのに、知り合い以上の親密な関係になれない淋しさやもどかしさを感じることで、本音を言えない自分に気付いたり、感情表現が足りてなかったことに気付いていくわけです。
それはやがて「私の内面的な部分も人に受け入れてもらえるだろうか?」といった興味や意欲、あるいは欲求に変わっていくのです。
このような過程は、自分ではなかなか自覚しにくいことなのかもしれません。気がついたら、ここまで来ていたという感じではないでしょうか?
まずは、改めて、そのような関係性の中に今、自分がいるということを受け取ってみてくださいね。
目的を明確に持ち、目標を変える
怖れやメンタルブロックの原因に当たりをつけることは、過去の体験の癒しに繋がることではありますが、心当たりがなければ、無理にほじくる必要は全然ないです!
さて、次に大切なのは、明確な目的を持つことです。
目的が変われば、目標も変わり、見ること、学ぶこと、考えること、やることすべてがどんどん変わっていきます。
今までは「人に嫌われないこと」や「仲間外れにならないこと」などが最大の関心になっていたかもしれませんが、今度は、「親密感を感じられること」になるかもしれません。あなたにとってチャレンジする目的は、どのようなものになるでしょうか?
それが定まると、次にそれを達成するための目標が見えてくるのではないかと思います。
「親密感が得られるようになるために、本音で話せる自分になりたい」だとしたら、「自分が話したい本音ってどんなこと?」を整理することからはじめる必要があるかもしれません。
目的を実現するために自分が何をするか具体的な取り組みをあげて、そうしたい理由もたくさん自分の中で見つけておけるといいですね。
ここでのワークは、地味にコツコツ取り組んでいただくことで無理のない変化を感じれるのではないでしょうか。
人に内面的な自分を受け入れてもらうのが怖いとき、まずは自分が何をしたい人なのかを明確にしてあげることが大切なのです。自分を知ること、自覚し受けとるということが、しばしばセットで行われますが、このプロセスを通じて自分との約束や絆を強くしていくんですね。
新しいことにチャレンジしていく時、不安と意欲が交互に押し寄せてくることはよくあることですが、気持ちが消極的に傾き始めた時に、「あっ、そうだった、そうだった!」と思い出すことができるように、これらの思いは、専用のノートを作り、日付とともにメモを取っておくといいです。後々自分の背中を押してくれる宝物になるでしょう。
信頼できる人とのコミュニケーションからはじめる
先にあげたような内容を整理していったら、次のステップに向かうための気持ちの整理や準備も十分整ってくるのではないでしょうか。
いろんな人とのシュチュエーションが思い浮かぶかと思いますが、最初にチャレンジしていただきたいのは、“信頼できる誰かと”というのがポイントです。
最初は「受け止めてもらうこと」すら怖いもの。そんな経験ないし、それはしてはいけないこと、になっていたのですから。「こんなに自分の気持ちを表現することが怖かったんだなぁ」と感じるのも自然なこと。
難しかったら無理をせず、私たちカウンセラーを頼ってみてくださいね。カウンセラーに話すことそのものが気持ちをことばで伝えることにチャレンジすることですから、良い練習になるかと思います^^
(完)