人の話を最後まで聞かない人の心理と対処法

あなたは、人の話を最後まで聞かない人にイラっとしたことがありませんか?

こちらが発言している途中で遮られ、その人の意見や考えを聞かされると、自分の考えや、ときには存在価値さえも軽視されたように感じて、不快このうえないと思うことも。

今日は、人の話を最後まで聞かない人の心理と、話を遮られて反感を覚えるときの対処法をご紹介します。

◇人の話を最後まで聞かない人にイラっとする心理

まずは、人の話を最後まで聞かない人にイラっとする心理ですが、代表的なものに、自分という存在が尊重されず軽視されたと感じる不満や不快感があります。

話を最後まで聞かない人はエラそうで自分勝手で自信満々に思えるし、そんな人に「あなたの考えなんて聞く価値もない」とおさえつけられ、勝手に勝利宣言をされたかのような、フラストレーションを感じるかもしれません。

◇人の話を最後まで聞かない人の心理

人の話を最後まで聞かない人の心理として代表的なものは、実は自信のなさや余裕のなさと、自己嫌悪があげられます。

自信や余裕があるとき、私たちはゆったりとした気分で相手の話を聞こうとするものですよね。
相手の話を最後まで聞いても、脅かされることが何もないならば、さえぎる必要がないのです。

ところが、自信がないとき、たとえば自分の意見や自分自身を大切に扱ってもらえないのではないかという不安があると、「今ここで言っておかないと、みんなと同じような意見しか言わない無能なやつだと思われてしまう」などと焦りが出てしまうことがあるのです。

あるいは、余裕がないときとは、たとえば他のやるべきこと(あの仕事にまだ手をつけられてない!とか、今日こそ早く帰宅しないと奥さんにどやされるぞ!など)の不安による焦りがあることも考えられます。

・自己嫌悪があると他人を大切にできない

自己嫌悪していると、私たちはそんな自分のことを周りも嫌いだろうと感じてしまいます。

これは、私たちには心の中の感情などを、心の外の人や物などに映し出す投影というしくみがあるからなのです。

人に嫌われていると感じるとき、自分は大切に扱ってもらえない気がするので、思わず臨戦態勢になったり、そんな他人のことは大切に扱わなくてもいいと感じてしまったりして、礼儀知らずのことを平気な顔をしてやってしまうことがあるのです。

◇人の話を最後まで聞かない人への対処法

人の話を最後まで聞かない人に感じる嫌な気分を減らしていきたいならば、以下のような対処法がおすすめです。

・最後まで聞くようお願いする

相手の立場や役職などにもよりますが「私の話を最後まで聞いてもらえますか?」とお願いしてみるという方法があります。

人の話を最後まで聞かない人は、意識的にそうしている場合もありますが、無意識のうちに話を遮ってしまっている場合も多いかもしれません。
お願いされて初めて自分が、人の話を遮っていたことに気づくケースもあるのです。

言わなくてもわかるだろうと思うかもしれませんが、伝えることが相手に良い気づきを与えることにもなるかもしれません。

なお、生まれ育った文化や環境にもよるので一概には言えませんが、人の話を最後まで聞かないのはマナー違反であると捉える人は多いかもしれません。
とはいえストレートに「マナー違反」と言うと、相手は責められたと感じて話がこじれるリスクがあるので、そこは言わずに本人に気づいてもらうほうが、コミュニケーションとしてはスマートかもしれません。

・最後まで聞いてあげる

相手との関係を、じっくり時間をかけて築いていこうとするならば、あなたがその人の話を最後まで聞いてあげるという方法があります。

人の話を最後まで聞かない人は、「自分は他人から大切にされないだろう」「自分の話は最後まで聞いてもらえないだろう」などと感じながら、心の中では周りを敵ばかりと思っていることがあるのです。

あなたが最後まできっちり聞いてあげることで、周囲を敵と思っていたのは自分だけだったのかと気づいてくれることがあるのです。
それが人の話を最後まで聞くきっかけになることがあるのですね。

◇嫌な気分にならない秘訣は、被害者にならないことです

話を遮られても嫌な気分にならない秘訣は、被害者にならないことです。

話を最後まで聞いてもらえないと、無理やり相手の話を聞きなさいと言われているようで、支配されているような、負けたような、屈辱的な思いを感じることがあります。

「なんで自分がこんなことをされなければならないんだ」などの被害者的な思いを持っているとき、私たちはとても嫌な気分を感じるものです。

物事はいかようにも捉え方があり、視点をかえるだけで自分の気分が変わることもあるようです。

人の話を最後まで聞かないと嫌な思いを相手にさせるのだから「自分は人の話を最後まで聞く人間になろう」などと思えたとしたら、その人はあなたに人づきあいの大切なマナーを教えてくれた恩人(反面教師ですが)と言えなくもないのですね。

楽な気分で仕事をしたいなら、自分を被害者にしないよう、誰かを責めたくなる気持ちを少しずつ減らしていくことが役に立ちそうです。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。 「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。