自己イメージを正しいものにしていく大切さ

自己イメージは私たちの視野を広くも狭くもする

私たちは自己イメージを悪いものにしすぎているようです。
本当は良いところ、魅力、才能があるにも関わらず、自分にはない、ダメなのだと感じてしまうと、本来の力を発揮できません。
本当の自分と自己イメージのギャップに気づいて、正しいものに修正すると問題を解決し、幸せに向かって進んでいけます。

イメージの力と聞いてどんな風に感じられるでしょうか。

私たちの心は、自己イメージの影響を強く受けている場合があります。
今回の記事では4回シリーズで、自己イメージがものの見方感じ方にどんな影響を与えているのか、そのルーツは何か、イメージの力を使って幸せをつかんでいくための方法等についてお伝えしていきます。

最初に「自分に自信がない」と感じている時のケースを考えてみましょう。
こうした時の自己イメージは「自分は力がない」とか「自分は何をやっても失敗する」などの自分の価値に対するネガティブなイメージを持っていることが多いようです。

例えば、あなたがお店の店員をしているとして、お客さんに「いらっしゃいませ!」と言ったとします。

その時、お客さんが無反応だったと仮定してみましょう。

もし、自分の接客が良くないと感じていて、接客に自信がない場合は

「私の接客の仕方が悪かったんだ!」

と自分を責めてしまったりします。

逆に、自分の接客に自信を持っていたら、

「お客様は何か嫌なことでもあったのかな」

と感じたりします。

感じ方は人それぞれですし、状況にもよるので一概には言えないのですが、こうしたことは起こりうるのですね。

実際はお客さんに聞いてみないとわからないのですが、お客さんの感じていることとは関係なく、自己イメージに囚われて苦しくなってしまう場合も少なくないのです。

◇「自己イメージと同じことを相手も自分に感じているに違いない」という心理

私たちの心は、

「自己イメージと同じことを相手も自分に感じているに違いない」

と感じているようです。

例えば、自分の欠点は遅刻をよくすることだ、と気にしているとしましょう。

実際には、遅刻をするのは年に数回で、職場の人も全然そのことを気にしてないとします。

しかし、自分がこのことを気にしている度合いだけ、

「周りの人は自分が遅刻するダメなやつだ」

と感じてしまう場合があるのです。

そうであるならば、私たちが他の誰かに対して抱く感情は、自分が作り出していると言えるのではないでしょうか。

私たちは、相手が本当は何を感じているのかとは関係なく、自己イメージを他の誰かに被せてしまい、相手の気持ちを感じてしまっているかもしれないのです。

この視点は、人間関係を円滑にしていくことにとても役に立ちます。

例えば、誰かに攻撃されていると感じた時などにこの視点を使うと、今までと違った見方で相手を見ることができるようになります。

一つの例として、職場の上司が不機嫌だった時に、自分に怒っているのではないかと感じたとしましょう。

しかしながら、「自分は能力がないから仕事ができない」という自己イメージを持っていると、「周りの人は同じように自分を見ているのではないか」と感じやすくなります。

すると、上司が不機嫌なこと=自分への怒り、と心の中で感じてしまうのです。

確かに、上司が何かしらの理由であなたを怒っているから不機嫌になっているという可能性もあります。

しかし、カウンセリングでいろいろなお話を聞いていると、実際はそうではなく、こちら側が悪い方へ捉えすぎていたことが後からわかるようなケースをたくさん伺います。

私たちは自分が思っている以上に、相手の気持ちを自己イメージから作り出しているようなのです。

このことに気づいて、一旦、日常の人間関係に当てはめてみてください。
もし、ネガティブな自己イメージから、相手も自分のことを悪く感じているという思い込みをやめて、客観的に見てみた時、その相手が自分を悪く感じていない言動に気づけるようになる場合も多いのですね。

◇周りの人が感じていることと自己イメージに差があるとしたら

そして、この視点を持つことは、自己イメージが隠している本当の自分に気づかせてくれるチャンスにも使えます。

私たちの心は自己イメージに囚われているので、特にネガティブなものを抱えたままだと、自分の本当の才能や魅力や良いところを気づくことが難しくなります。

そこで、まず最初に

「周りの人が感じていることと自己イメージに差があるとしたらどうだろう?」

こうした視点を持ってみましょう。

この視点を持つだけでも、自己イメージと本当の自分は違うかもしれない、という思いで自分のことを観察するきっかけができます。

次に、できる時だけでもいいので、このことを思い出しながら、日常で自己イメージが本当の自分と一致しているかについて、周りの人が自分をどう感じているか、また、自分で自分をどう感じているのかを観察をしてみてください。

このやり方がわかりにくいときは、あなたのことを理解してくれる友達に手伝ってもらい、自分の長所と短所について教えてもらってください。

これをやることで、自己イメージと他の人が持っているあなたの姿のズレを見つけることができます。

私たちは自分で自分のことを知りません。

あなたの応援者の方がよくわかっていてくれることは、本当に多いのです。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 自己イメージを正しいものにしていく大切さ
  2. 自分が持っているイメージを作り出した原点は親の影響を受けているのかもしれない
  3. 自己イメージが恋愛に与える影響について考えてみよう
  4. 受け取り下手の正体は自己イメージかもしれない
この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。