浮気・不倫問題を心理する

性的なもの=悪いこという考え方をもったまま性的な関係をつくろうとすると、浮気や不倫が起こりがち。

こんばんは

神戸メンタルサービスの平です。

恋愛のご相談をいただく中で、昔からもっとも多いジャンルの一つが浮気や不倫に関するお悩みです。

「彼が浮気した」、「嫁の浮気が発覚した」など、このジャンルのご相談は、浮気や不倫を“された側”の人からいただくことが圧倒的に多いものです。

一方、浮気・不倫によって失うものは、“した側”のほうがずっと多いといえそうです。

たとえば、法律の観点から見ると、浮気や不倫をし、婚姻の破綻理由をつくった者は結婚をつづける権利も離婚をする権利も失うとされています。

つまり、浮気・不倫がバレちゃった側は、自分から結婚をつづけようと言う権利も、離婚しようと言う権利もなくすということです。

また、結婚している人と浮気をしたとしたら、相手の配偶者から慰謝料を請求されるかもしれません。

それだけ浮気・不倫はリスクも大きいということなんですね。

なのに、なぜ、人は本来のパートナー以外の相手とそうなってしまうのか‥‥。これが今回のテーマです。

浮気・不倫はほとんどの場合、性的なものを伴い、そして、ほとんどの場合、それが目的となっています。

ティーンエイジャーのとき、私たちは性的なことに非常に興味をもちますが、同時に、そんなことに興味をもつのは悪いことで、道徳的ではないなどと思ったりします。

この時点で、性的な興味と罪悪感が表裏一体の関係になるわけですね。

性的なもの=悪いこという図式がつくられるわけです。

アダルトビデオのタイトルなどを見ると、痴漢、のぞき、隣の奥さん、義理の母、看護師さんなどがよく出てきますが、そのほとんどがタブーなことであり、性的なことと罪悪感がセットになって刺激となっていることがわかります。

このために、悪いことをしているという思いが伴わないと、性的に興奮できないということもじつはよくあります。

レスになっている夫婦の話を聞くと、恋人時代にはそれなりにあったものの、結婚してからどんどん減っていき、最近はまったくなくなってしまったということは少なくありません。

結婚したその瞬間に、性的なものがタブーではなくなり、承認されたものになります。そして、タブーではないために興奮できないというケースもあるわけです。

性的なもの=悪いことという考え方は、性的なものに興味をもつことを隠さなければならないという思いを生みますので、夫婦やカップルの間の性に関するコミュニケーションを閉ざす要因にもなりがちです。

それが不満をつくり、浮気や不倫へと向かう動機の一つになってしまうことも少なくありません。

欧米のカップルは性に関するコミュニケーションを大切にします。彼らは“夜の反省会”という名の会話をし、どうすればもっとよくなるかということを当たり前のように二人で話し合います。

ところが、日本では、愛し合う者同士でも、性的な話をするのは恥ずかしいこともあり、タブーとなっていることが多いようです。

そして、たがいに自分を表現することを制限し、その結果、不満がたまり、浮気や不倫へと向かってしまうこともあるのです。

性的なもの=悪いこという考え方をもったまま性的な関係をつくろうとすると、罪悪感が刺激されることが必要で、その結果、浮気や不倫が起こりがちです。

あなたがほんとうの意味で大人になるということは、性的な関係をタブー化せず、「おたがいが愛し合う手段」だと捉えることが大事です。

それができたなら、不倫や浮気の問題も劇的に減るはずです。

来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。