「どうして私はこうなんだろう?」
みなさん、思ったことはありませんか?
その答えは両親や家族の過去の物語に隠されていることが多いのです。あなたも親御さんから昔の話を聞いて、
「そうか、だから私はこうなんだ」
と、納得した経験があるかもしれません。
きっと、あなたのお子さんも同じように
「どうして私はこうなんだろう?」
と悩むことがあるでしょう。そんなとき、あなたの過去、特に幼少期の話がその答えやヒントになるかもしれません。だからこそ、「あなたの幼少期の話」をお子さんに話してみませんか?
私の引きこもりの経験が、こどもの希望につながった話
「私も、大学行けなくなっちゃって、ひきこもりを経験したんだ」
こどもが不登校だったとき、私は自分の過去の話をしました。初めてその話を聞いたとき、こどもはこういいました。
「お母さんもそうだったんだね」
その言葉には、少し安心した様子が感じられました。「学校に行けないと悩んだのは、自分だけじゃなかった」と思えたのだと思います。そして、もう一つ大きな気づきを得たようでした。
「学校に行けなくても、未来はある」と。
・こどもは親の姿をよく見ている
目の前にいるお母さんである私が、失敗を経験しながらも今こうして元気に生きている姿を見て、こどもは「自分もこの先、大丈夫かもしれない」と感じたようです。こどもはこんなことも言ってくれました。
「お母さんはお母さんとして、ちょっとできは悪いけどさ。でも、お母さんがこうやって生きているなら、私もこれから生きていける気がしてきた」
「お母さんとしてできは悪い」という部分に、笑ってしまいました。こどもは本当に親の姿をよく見ているのだと感じた瞬間でした。
あなたの幼少期の話は、こどもにとっての宝物
あなたも、きっと幼少期にたくさんの経験をしてきたことと思います。楽しい思い出もあれば、辛い思い出もあるでしょう。
「お父さんやお母さんがどう育ち、どう考え、どう生きてきたのか?」
お父さんやお母さんの過去の物語は、お子さんにとって貴重なヒントや宝物になります
「私って、こんなところがお父さんやお母さんに似てるんだ」
お子さんがあなたの話を聞くことで、そんな新しい発見をするかもしれません。
・家系のルーツを知って、腑に落ちることがある
たとえば
「お父さんが心配性なのは、おばあちゃんが心配性だからなんだ。だから私も、心配性なんだ」
このようにお子さんが自分の心配性な性格について悩んでいたら、家系のルーツを知ることで、自分の性格が腑に落ちて、安心できるかもしれません。
成功談だけではなく、失敗談もつたえてみませんか?
あなたの成功談は、お子さんにとって大きな夢や希望になることと思います。でも、できたらご自身の失敗談も伝えてみませんか? それをどう乗り越えたかを知ることは、お子さんにとって大きな学びの機会です。
・大切なのは、失敗しないことより、どう前向きに生きるか
「お父さんもお母さんも、たくさん失敗して、それでも乗り越えてきたんだ」
そんなふうにこどもが感じられたら「自分も失敗しても大丈夫なんだ」と感じるのだと思います。実際、失敗をしないために最も簡単な方法は、「なにもしないこと」です。でもその人生は、味気ないものかもしれません。
失敗は時に恥ずかしいと感じるかもしれませんが、実は失敗こそ、前向きにチャレンジした証です。そして、それこそが人生の宝庫なのではないでしょうか。
親も人間であることを知る大切さ
「お父さんもお母さんも、苦労したり、悩んだり、失敗を経験してきたんだ」
こどもが大人になるためには、親も完璧な人間ではないと理解することが大切です。だからこそ、成功談だけではなく、失敗談も伝えることで、こどもがより成長する手助けになることでしょう。
・こどもが安心して大人になれるという財産
「挫折も、夢を叶える経験も、たくさんの経験があって、今がある」
と、知ること。それはお子さんもまた、「いろんなことを経験しながら自分もまた大人になっていくのだ」と安心できるものです。それこそが、こどもが安心して大人になれるという大きな財産になります。
あなたの過去の話は、お子さんの未来へのかけはしにもなる
あなたの過去の話は、単なる昔話ではありません。お子さんが「自分らしく生きていくための宝物」がたくさん詰まっています。それは今のこどもたちの心を癒し、成長を促す、かけがえのない時間となることでしょう。そして、あなたの過去の経験が、こどもたちの未来へのかけはしにもなってくれることと思います。
ぜひ、お子さんとあなたの幼少期の話をしてみませか?
みなさんの子育ての、なにかのお役に立てたら嬉しいです。
来週は、小川のりこカウンセラーです。
どうぞお楽しみに。