感情の扱い方〜自責より自認〜

自分を責めるよりも、自分が感じている感情を認めることが大切です。

子供の頃は、素直に感じて表現できていた感情も、大人になる過程で抑圧してしまい表現もほとんどしなくなってしまいがちです。
自分を責めるよりも、自分が感じている感情を認めていくことで、大人として感情を表現できるようになりますし、人との間に壁を作らなくても良くなるので、人間関係もより良くしていくことができます。

今回、担当させていただく大門昌代です。どうぞ、よろしくお願いします。

大人になる過程で、私たちは感情を表に出さないということを身につけます。
子供の頃は、ちょっと先生に褒められたりすると、にやけて誰かに嬉しそうにそのことを話したり、誰かに傷つくことを言われると、「どうしてそんなこと言うのよ!」と怒ったり、悲しくて泣いたりしていたかもしれませんが、大人になった今はどうでしょうか?

上司に褒められたことを、ニヤニヤしながら嬉しそうに話すと、「自慢していると思われる」とか「それくらいで喜ぶなんて」と思われるとか、妬まれるとか色々と理由はあるでしょうが、表に出さないようにしていたりしないでしょうか。

誰かに傷つくことを言われたとしても、「アハハ」と適当に笑って誤魔化して、心のシャッターを人知れずしめて、「もうこの人とは関わらないようにしよう」と心の中でひっそり誓ったりしていないでしょうか。

子供の頃に、素直に表現できた感情も、大人として表に表すと色々と問題があるのではないかと感じるし、実際問題として、上司に褒められたからといって、社内を嬉しそうにスキップして歩いたら変人扱いされてしまうでしょうし、傷つくことを言われたからと、その人に突っかかっていったりしたら、大人気ないなんて言われちゃうかも知れませんからね。
だから、人知れずそっと感情を押し込めて、大人らしい態度で振る舞います。

子供時代のように、喜びや悲しみなどの感情を、爆発的に表現することは社会的に難しいかも知れませんが、感じてはいけないものではないですし、もちろん大人だって感じるものなのです。

でも、「大人らしく」振る舞うために、「可愛い!」とか「嬉しい!」とか「楽しい!」なんてのは表に出さないようにしたり、「傷ついた」とか「悲しい」とか「悲しい」なんてのは、感じちゃいけないくらいに押し込めてしまう。

そうすると、「これ可愛い!」とか「キャー!嬉しい!」なんて表現している大人を見て、ケッと切り捨てたり、落ち込んでいかにも悲しそうにしている大人を見て、「しっかりしろよ!」と怒りたくなってしまったりする。

他人に対してだけでなく、自分自身が、はしゃぎすぎたときや、にやけてしまったとき、「辛い」とか「悲しい」なんて感情を感じてしまったときでも、一人反省会や一人糾弾会をひっそりと開いて自分を責めてしまったりもする。

そうやって感情を押し込めることを、強化していってしまうわけですが、残念ながら感情は感じるものです。
押し込めてしまうと、いつかは大爆発を起こしてしまうことになります。

感情を感じたり、表現したからといって自分を責めるのはやめましょう。
認めることが大事なのです。

「嬉しい!」と感じれば、笑顔になればいいのです。
スキップしなくても、「私は嬉しいのだ」と認めるだけでもいいのです。

嫌なことを言われたなら、「私は傷ついたんだな」と認めればいいのです。
嫌なことを言ったその人以外の友人にでも、「私、傷ついたんだよね」と話してもいいんです。
傷ついたことを認められないでいると、友人に「あの人ムカつく!」と、攻撃するような表現になってしまいますが、自分が感じたことを認めれば、それは「私が傷ついた」ということを伝えているだけなので、「それは悲しかったね」と受け止めてもらいやすくなります。

一人で反省会や糾弾会を開いて、自分を責めるよりも、自分を認める承認会を開きましょう。

「私は楽しいのだ」
「私は嬉しいのだ」
「私は悲しいのだ」
「私は憤っているのだ」

そうやって認めていくことで、それをどのように表現するかは、選べるようになってきます。
抑え込んでしまうと、予期せぬところで大爆発してしまったり、抑え込みすぎて何を感じているか全くわからない感情の不感症になってしまったりしますからね。

認めたら、その感情をどのように表現するかは、大人として色々と選択できますよね。
楽しいからスキップするもよし、友達を誘うもよし、一人でこっそり楽しむもよし、選べるのです。
嬉しいなら、周りの人をハグしまくってもよし、一人でニヤけるもよし、友達に話すもよし、選べるのです。

悲しければ、泣くこともありですし、悲しさを感じながらお酒を一人で飲むのありです。
憤っているなら、カラオケで歌いまくるのもありですし、ボクササイズでパンチしまくるのもありです。

感情は溜め込んだり、抑え込んだりするのではなく、認めて感じて自分なりの方法で表現していくと、人とのコミュニケーションもうまくいくようになります。
人との関わりを遮断するために心のシャッターを下さなくてもよくなりますし、表現しているので、とってもわかりやすい人になれますからね。

感情に関しては、自責よりも自認です。

簡単ですけれど、参考になりましたら幸いです!
ありがとうございました。

(完)

 

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。