出世する同僚と、頑張っても評価されない自分

お仕事をしていると、人によって適切な対応がされなかったり、差別のような評価査定をされるなど理不尽に感じる出来事はあると思います。

カウンセリングのご相談でも、

・なぜか私だけ強く当たられる
・どれだけ頑張っても、周りから認められると感じられない
・同僚は怒られることはない、むしろ褒められている
・頑張っても出世できず、同僚が先に出世していく

これでは、どれだけ頑張っても誰からも認めてもらえないと感じるし、とても悔しい思いをするでしょう。
やる気も次第に削がれてしまいますね。
誰でも平等に評価されるべきだと、私も思います。

私自身、サラリーマン時代はとても真面目でしっかりと仕事をするタイプであったと思います。
「このチームに新城がいるなら大丈夫」と任され、一人でも仕事をこなしていく自信もありましたが、なぜか上司に強く当たられたり、同期が出世していく中で、自分はなかなかと出世できずに苦しんでいました。
こんなに頑張ってるのに、なぜだろう。

カウンセラーになった今、カウンセリングでの臨床経験と、サラリーマンをしていた頃に私自身が感じていた理不尽な経験とを照らし合わせると、どうやら人との関わり方、人間関係が深く関わってきそうなのです。

【真面目に一人頑張るタイプ、笑顔で懐っこいタイプ】

人間関係では大きく分けて、

・真面目に一人頑張るタイプ
・笑顔で皆に懐っこいタイプ

がいると思います。
その中に、ほどほど一人がいいとか、適度に人と上手に接することができるタイプなどあるとおもいますが、今回は例として極端に分けて考えますね。

例えば、あなたがある仕事の上司で、2人の部下がいたとします。

Aさんは、真面目でコツコツ仕事をするけれど、笑顔がなくて自分とは会話もほとんどしない
Bさんは、仕事はほどほどだけれど、いつも笑顔で世間話などでもよくお話するBさん
という、2人の部下がいたとしますよね。

・何か仕事のミスが発覚したとき、Aさん、Bさん、同じように注意をしています。

Aさんは注意を重く受け止め、深刻そうに、一層1人で頑張ろうとします。
Bさんは、注意を聞き入れますが、ちょっと笑顔で、気をつけますね、と一言添えます。
また、あなたからアドバイスをうけようとします。

注意する際に気を遣うのはどちらでしょうか。
Aさんはあなたが言った以上に重く受け取ってしまいそうだし、Bさんは注意しても反対にこちらが笑顔になったり、必要とされると私達は好感を得ますので、アドバイスしたいと思います。

・あなたが仕事を休んで旅行先でお土産を買ってきたとします。
皆が仕事をしている中の旅行です、少なからず罪悪感を感じていたとします。

Aさんは、「ありがとうございます」とお土産を受け取りました。
Bさんは、「ありがとうございます!このお土産おいしいですね!どこいってきたんですか?いいですねー、私も行きたいな」と言ったとします。

ちょっと罪悪感を感じながら仕事を休んでいった旅行先、お土産を買っていって良かったと思うのは、どちらでしょうか。

・上司として、職場のコミュニケーションを考えたとき
Aさんは、いつも一人でいることが多い
Bさんは、皆の輪の中に入っていける

職場にとって心地良いと感じるのは、どちらでしょうか。

あなた自身は、仕事をする上でなるべく皆と平等に接したいと思っていますが、普段接しやすいのは、Aさん、Bさん、どちらでしょうか。
どちらの人と、あなた自身が仲が良くなると思いますか?
Aさんには必要なことしか話さない代わりに、注意するときは、ただ注意するだけになってしまうかもしれません。
それはもしかしたら、Aさんにとってはキツく当たられたような感覚になってしまう可能性もあります。
Bさんに注意するときは、同じ内容でも世間話を挟んだりするなど、伝え方が穏やかになるイメージがありませんか?

【出世と人間関係】

仕事は大切です。
業務をこなさなければ会社の業績は確保できないのですから。

また、人間関係も大切ですよね。
業務と業務をつなぐのは人間ですので、そのあいだに乖離や歪みがあっては組織が維持できないと思われます。

会社組織とは、人間社会そのもの。
人と人との関係性が大きく影響しているようです。

その中では、業務を円滑に回すための「報・連・相」などのコミュニケーションはもちろんですが、人と人との関係から生じる感情も切り離せないとおもいます。

先ほどのAさんとBさん。
一生懸命仕事をしているように見えるのは、Aさんかもしれません。
しかしながら、Bさんの仕事も、業務をこなす上では支障ないとしたとき、上司として、人事に昇格を推薦したいのはどちらでしょうか。

誤解を恐れずに言うと、仕事そのものなら、Aさんかもしれません。
しかし、個人として仲が良いのはBさんでしょう。
また、この職場全体として、会社として、人と人とを繋ぐなどの期待ができるのは、Bさんではないでしょうか。

ごますりが上手、と書くとあまり良いように言われないものですが、「人を喜ばせることが上手」と思うと、そうした人を評価して応援したいと思うのが、人間だと思うのです。

そして、Aさんはこう思うかもしれません。
なぜ、私は評価されないのだろう、こんなに頑張っているのに。
わたしばかり、なぜ強く当たられたり、褒められないのだろう。

この気持ちと向き合うための対策をご紹介します。

【今の気持ちと上手に付き合うために】

・いまの自分基準で、少し手を抜いてみる
手を抜くというと、サボっているとか、疎外感を感じるかもしれませんが、あくまで自分基準で、手を抜いてみます。
本来自分がしなくてもいい仕事があるなら、手を出さない、誰かにお願いする

・ほどほどに帰る
最後まで残っていないと罪悪感に襲われることはありませんか?
仕事が回るのであれば、先に帰るというのもOKとおもいます。
誰かは先に帰るのだから。
それがあなたであってもいいはず。

・お世辞は大事
お世辞は嫌い!という方は多いと思いますが、例えば誰が買ってきても、同じお土産の味は、どれも同じです。
でも「○○さんの買ってきたお土産、おししい!」と伝えるだけで、お世辞だとわかっていても悪い気はしませんよね。

・仕事以外に依存先を見つける
仕事の評価にヤキモキしたり、認められないとあまりに強く感じてしまうなら、もしかしたら自分自身の評価対象が仕事で、仕事そのものに依存しているのかもしれません。
クラブや趣味、セミナーなど、仕事以外に目を向けることも、対策の一つとしておすすめです。

仕事では、場合によっては家にいるよりも長い時間を必要とします。
必死に頑張っても評価されない、変化が起きないなど、自分自身を締め付けるものになっているのだとしたら、一度立ち止まって、自分の仕事の在り方をみつめなおしてみることが大切かもしれません。

もちろん、すべてが今回のパターンに当てはまるわけではありませんが、お仕事を進める上で、何か参考になりましたら幸いです。
カウンセラーなど、聞く専門のアドバイスもご検討くださいませ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自身の生きることの辛さ、日常の悩みを乗り越えてきた経験から、心の束縛感や生き苦しさ、恋愛、夫婦関係の問題解決を得意とする。 ご相談内容を心理分析しながらお客様と共に考えていくことで、気付けなかった本当の気持ちを洗い出し、アンバランスになった心の整理整頓を行う。