さぁ、手放すための準備をしましょう
今回は最終回です。さぁ、いよいよ手放すためには何をすればいいのかについてお話しましょう。
◆執着を手放すことを手放す
心理学に興味がある人やカウンセリングを受けている人は、「執着は手放した方が良い」と知っています。だからこそ、「なんとかして早く手放さなければ!」と躍起になってしまうことがあります。
「早く手放さなければ!」と思っているときは、ずっとその人のことを考えているのと同じです。
早く元彼への執着を手放さなければ!
早く元彼への執着を手放さなければ!
早く元彼への執着を手放さなければ!
早く元彼への執着を手放さなければ!
どうですか、これ?
ますます執着が強まっている感じがしませんか?
もし、なかなか手放せないと思うときには、「執着を手放すことを手放す」が必要なときもあるのです。
執着を手放すことは、そう簡単ではありません。だって、執着してしまうぐらいに大好きだったものですから。
「私はまだ彼のことが好きなんだな」「私はまだ彼のことを忘れたくないんだな」「私はまだ復縁したいと思っているんだな」
執着している自分をそのまま受け入れてあげましょう。自分の気持ちを抑え込んだまま無理やり進もうとすると、感情のリバウンドが起こりますから、立ち止まっても良いのです。
そもそも執着に苦しむ人は、ひとりでなんでも抱え込むタイプの人が多いです。ひとりで抱え込むことを手放せると、手放しがスムーズに進んでいくことがあります。
◆自分の居場所になってくれた人だからこそ執着する
長いことカウンセリングをしていて思うことは、執着は「居場所の問題」だと思うことがあります。自分の居場所になってくれた人だからこそ、失いたくないのです。
その人を失うことは自分の居場所を失うことと同じだから、行く場所を失うわけですよね。行く場所を失うとどうなるかというと、ひとりぼっちになります。
ひとりぼっちになったらどうするか?それはもといた場所に戻って、自分を回復させることが前に進む一歩になるのではないかと思います。
もといた場所というのは、家族であったり、お友達であったり、カウンセラーであるかもしれません。傷ついてボロボロになった自分を休ませてくれる場所が必要だということです。
執着を手放すと、執着をしていた相手との繋がりが切れます。繋がりが切れたままでいると、ひとりぼっちになるのでまた居場所がほしくなります。
ちょっとだけ気をつけてほしいのは、ようやく不倫関係を手放したのに、また別の不倫関係をつかんでしまうことがあります。「溺れる者は藁をも掴む」といいますが、弱っているときにやさしくしてくれた人を掴みやすいところがあるからです。
失恋直後で無価値感が強くなっているとき、いつもなら付き合わないようなタイプの人を掴んでしまうこともあるので慎重に。だからこそ、自分の幸せを願ってくれる人たちがいる場所に一旦戻ることは、とても大切な回復のプロセスになります。
◆手放すための意欲を作る
執着を手放した先に、何を手に入れるのかをハッキリさせることで、手放すための意欲を作り出します。たとえば、このような問いかけはいかがでしょうか?
<<手放しクエスチョン>>
(1)あなたが手放すのは誰(何)ですか?
(2)何のために手放すのですか?
(3)手放すとあなたの日常はどう変わりますか?
(4)手放したあと、なんでも叶うのだとしたら何を手に入れますか?
(5)「私は〇〇を手放して、◎◎を手に入れます!」(宣言してみる)
執着を手放すと、しがみついていた両手が空っぽになります。空っぽが嫌で手放せないのですから、その空いた両手に何を手に入れるのか明確にすることで、手放すための意欲を作り出します。そうじゃないと、ただのひとりぼっちになってしまうから。
手放したあとは「もっと良いもの、もっと素敵なもの」を手に入れるチャンスです。だからこそ何のために手放すのかはこだわってほしいと思っています。
そして、自信がなくても高望みに思っても構わないので、声に出して宣言してみることをおすすめします。もし難しければカウンセラーのサポートを借りても良いでしょう。
人によっては、しばらく空っぽなままの自分で過ごさなければいけないかもしれません。そんなときは「あなたを大切に思う人」と関わってください。すると、空っぽな心のなかに「あたたかさ」を入れることができます。
空っぽな心にやさしさを。すると、みんながあなたの幸せを願っていることが感じられて、何か良いものを心に入れたくなります。だからこそ4回シリーズにわたり、しつこいぐらいに「ひとりで抱えないことが大切だ」と言ってきました。
あなたは幸せになるのにふさわしい人です。もしよければ「私はもう幸せになっていい」と何度も自分に言い聞かせてあげてくださいね。
(完)