イコールパートナーという言葉があるように、パートナーシップは対等が基本です。
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
人を愛するとき、みなさんは「自分がしてもらってうれしいことを相手にもしてあげたい」と思うのではないでしょうか。
それはもちろん悪いことではありません。ただし、あまりに度が過ぎると、うまくいかないことが多いようなのです。
度を越す???
そう、たとえば、誕生日に彼から年齢と同じ数の真っ赤なバラの花束をプレゼントされたとしたら、そこそこうれしいものですよね。
ところが、ある男性の考えたことは違ったのです。
彼女の誕生日、デートを前に彼は彼女にこう言いました。
「ごめん。きょうはきみの車で行くことにしていいかな。ちょうど車検に当たっちゃって。運転はぼくがするよ」
彼女の車で海の見えるレストランに二人は行き、食事が終わったころ、彼はトイレに行くと言って席を立ちました。
そして、用意していた山のような数のバラを彼女の車のトランクに敷きつめるというサプライズを仕掛けたわけです。車検というのは、嘘だったのですね。
席に戻ると彼は小さなプレゼントを彼女に渡し、まもなく二人はレストランを出ました。
駐車場に向かいながら、「今年のプレゼントは、わりと質素ね‥‥」と彼女が思っているところに彼がこう言います。
「もう一つ、プレゼントがあるんだ。トランクを開けてみて」
言われるままにトランクを開けると、いっぱいのバラが目に飛び込んできて、彼女はびっくり。その瞬間は感動もしますし、すごくうれしかったりもするわけです。
ちなみに、このような発想をする彼は(男性に多いのですが)、視覚派といえます。愛情表現も目で見えることでしようとするタイプです。
そんな彼が1本のバラよりも大量のバラでサプライズ効果を狙ったわけですが、これはちょっと自己満足なやり方だったといえるでしょう。
なぜなら、彼女はその後、トランクいっぱいのバラを処分しなければいけないからです。
生花ですから、何日もしないうちに枯れていきます。花びらは落ちるし、葉はしおれていきます。
で、枯れたところからゴミ袋に入れていこうとすると、あのトゲトゲが手に刺さったり、ゴミ袋を破ったり‥‥。
そのたびに、彼への感謝は、「ああ、もうっ、めんどくせー!!」という苛立ちに塗り替えられていきます。
〃サプライズでも、期待をちょっと上回るようなものはうれしいものです。
一方、トゥーマッチ、つまり、やりすぎると、「この人、なにを考えているのかしら」という不安をかきたてたりしますので、あまりよろしくないようなのです。
これはきわめて日本的な発想なのですが、「こんなにしてもらっちゃって、お返しをどうしよう?」というプレッシャーを相手に抱えさせてしまうことも少なくありません。
また、「いいの、いいの。気にしないで。ぼくがこうしたいんだから」とどんどん与えていく人がいます。
一方的に与えてばかりいると、パートナーのあなたへの依存は強くなっていきがちです。
すると、「あの人はなんでも自分でできる。私がなにをしたからって、あの人をよろこばせることはできない」と思わせてしまうこともじつはよくあります。
イコールパートナーという言葉があるように、パートナーシップは対等が基本です。
やりすぎる、多く与えすぎる、愛しすぎるということは、自己満足に終わるリスクがあるということを覚えておいてくださいね。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!