「妻にセックスを求められなくなってしまう男心」のひとつは「妻が母になって、女性と思えなくなる」夫の心理があります。しかし、そこには「妻自身が母モード」になって女性を感じられなくなる背景もあります。
「母モード」の女性はセックスに意識が向きにくいため、求めてくる夫を受け入れならない場合も多い。すると、妻の感覚以上に、夫は「拒絶された」と傷ついてしまうことも多いのです。
「妻にセックスを求められなくなってしまう男心」の代表的なものは、以下の3つのケース
(1)育児中に放ったらかしにされたと「拗ねる」ケース
(2)母になった妻を「女性」と見られなくなるケース
(3)セックスを妻から拒絶された痛みから「拗ねる」ケース
前回に引き続き、今回は(2)と(3)についてお話ししていきます。
(2)母になった妻を「女性」と見られなくなる
育児中の女性は「母モード」です。
赤ちゃんに授乳をする、オムツを替える、抱っこするなど、目にする行動も母そのもの。
すると、夫も妻のことを「女性」というより「母」として認識することになります。
また、育児中の女性は本当に余裕がありませんから、服も化粧も後回しのなりがち。
こうした積み重ねは、夫が妻を「女性」ではなく「母」としてしか見られなくなる状況を作ります。
でも、これは、夫だけの視点ではありません。
女性も、自分のことを「妻」として、ではなく「母」として、認識していきます。
妻も、夫も、どちらもが「母」として認識していることが、妻を母にしていきます。
これが積み重なっていくと「妻=母」の図式が、お互いの意識の中で定着してしていきます。
「母」とセックスは対極なもの。
この感覚が、セックスは遠ざかってしまうことになる場合もあるのです。
(3)セックスを妻から拒絶された痛みから「拗ねる」男性
「放っておかれた寂しさ」から、夫が妻を受け入れられなくなるというお話を(1)で書かせていただきました。
同じように「妻からセックスを拒絶された痛み」があると、夫が妻を受け入れられない心理を作ります。
育児中の妻が、夫からセックスを求められても、受け入れられない。
これはある意味、自然なことです。
まず、身体が「母モード」ですから、セックスをしたいと思いにくい。
そして、心も「母モード」ですから、セックスをする気分になりにくい。
妻としては、自然なことなんです。
ところが、夫は違う。
それは(1)でも書かせていただいたように「子どもを産んでない」から、子どもが産まれる前と産まれた後に、身体も心も変化していないのです。
すると、妻にセックスを断られた時、頭では分かっていても「拒絶された」と感じます。
また、男性にとって「セックス」は「感情を解放していくれる行為」であることも多い。
男性は基本的に「感情を感じるのが苦手」な生き物です。
「男は泣くもんじゃない」と言われることが象徴しているように、「感情を出すことは男性として良くないこと」という思い込みがあります。
すると「セックス」の時だけは「感情を感じられる」ために、「感情を解放する行為」として、セックスを強く求めてしまうことも多いんですね。
期待が大きい分だけ、妻にセックスを断られたとき、「拒絶された」と感じます。
傷ついてしまうわけですね。
この「拒絶された」体験が積み重なると「もう、二度と傷つきたくない」と思います。
すると人の心は無意識に「二度と気づかない方法」を見つけていきます。
それは、「相手に近づかない」こと。
そんな風に、夫の気持ちが頑なになっていくことに、妻は気づきません。
なぜなら「育児は大変」だからです。
夫の気持ちを察する余裕がないのです。
そして、育児が一段落して、夫に気持ちを向けていった時には、夫の心は閉ざされている。
夫にしてみれば、ずっと自分は我慢してきたので「今更なんだ!」という気持ちになっています。
こうした心のすれ違いがセックスレスの原因になっていることも多いのです。