老化の心理学4 〜パートナーシップを常に新鮮に保つには?〜

パートナーシップというのもいろいろあります。
仕事でのパートナー。
私生活でのパートナー。
会社とのパートナーシップ。
恋人や夫、妻とのパートナーシップ。
つまり、パートナーとは、共に生きる人のことを言います。


それが、たとえどんな人であったとしても、あなたが共に生きたい
と望む人、共に生きようと約束した人、それがパートナーです。
あなたが今、共に生きている人は誰でしょうか?
今回のお話は、その人のことを頭に思い浮かべながらお付き合いく
ださい。
僕たち人間のほぼ全員が、年老いていくことを恐れるのと同じ理由
で、パートナーと繋がることを怖いと感じることがあります。
マンネリしたらどうしよう?
倦怠期ってどんなものなのかしら?
昔、森高千里という歌い手さんが、「私がおばさんになっても」と
いう歌を歌っていましたが、ご存知の方たくさんいらっしゃると思
います。あれは、実はそういった恐れのマインドを歌にしたもので
す。
この恐れがあがってくるのは二通りあります。
1.刺激がなくなることへの恐れ。
2.年老いて、若々しい魅力がなくなることへの恐れ。
そのほかは?
あなたなりの恐れはどんなものでしょう?
例にあげた二つについて、その恐れが発展すると、こうなります。
1.:「毎日が退屈でつまらないのはいや。この人との関係がマンネリ
   になったらどうしよう?
   そうなったら、今刺激があってもいつかは退屈になる。
   それはいやだ。。。」
  と、思っていると、本当に刺激はなくなるものです。
  実際に刺激がなくなってくると、
  「他に刺激をくれる人はいないかな?」
  となってきます。
  
2.:「年をとったら、顔もしわだらけになるし、胸も垂れてくるし
   なんだかいやだわ。。。」
  と思っていると、実際に年をとると、
  「こんな私は他人に見せられない!」
  と思って、自分の「素」をどんどん隠していきます。
  
そして、二つとも、それをパートナーに投影します。
1.は、
「この人は刺激をくれない」
となりますし、
2.は、
「この人は年をとった自分を愛さない」
となります。
ここを投影すると、不倫をする、あるいはされる大きな理由になっ
てしまいます。
1.は刺激をくれる人を不倫相手に選びますし、
2.は「素」の自分を見せることができた相手を不倫相手にします。
これらの投影した感情は、僕たちの中で、さも、もっともらしい、
浮気や不倫の理由となってくれますが、実は、二つとも、僕たちの
間違った態度から発生しているのです。
1.は、刺激は自分の外の世界からくるものとしている部分。
 刺激や楽しみは誰かが与えてくれるものと、待ちつづける態度。
 
2.は、自分の心ではなく、外見や容姿、振る舞いを愛する態度。
 とくに、こういったマインドがある場合、自分から愛するのでは
 なく、誰かから愛されることを待っている場合がとても多くあり
 ます。
1.も2.も、どちらも自分から何かを起こしていくのではなく、待つ
態度から出ています。
待ちに待った結果、望むものを与えてくれなかったことに、怒って
いるのです。
でも、考えてみてください。
1.も2.も、本当に怖かったのは何でしょう?
1.は刺激がなくなることが怖かった。でも、もっと怖いのは、ある
 いはいやなのは、自分から何かを作り上げていくこと?
2.は、年をとって、愛されなくなるのが怖かった。でも、もっと怖
 い、あるいは、いやなのは、「素」の自分を愛してもらうこと?
 
あなたなら、どんな回答になるでしょう?
恐れを癒す最大の方法は、思い切って乗り越えることです。
1.なら、自分から楽しみや喜びを発展させていくことを考える必要
がありますし、2.なら「素」の自分を一番見せたくない人にコミュ
ニケーションすることが一番です。
また、1.にも2.にも当てはまらないあなたは。
今、パートナーとマンネリだなぁと感じていたり、昔に比べて近づ
きにくいと感じていたとしたら、こう、自分に問い掛けてみてくだ
さい。
「私は、何を恐れてこの人と近づかないようにしているんだろう?」
あるいは、
「私は、何を恐れてこの人と、この心の距離を保っているんだろう?」
あなたなりの回答を見つけてみてください。
そして、その恐れを払拭する一番の方法を、まあ、実際にやるかや
らないかは別として、単純に考えてみてください。
すぐ見つかると思います。
多分、それは、あなたがもっとも怖いと感じることかもしれません
が。
パートナーとは、共に生きる人のことであり、その人との間に恐れ
や不安があるということは、実は、自分の中の「生きていく」とい
うことへの恐れや不安を投影していることが多々あります。
例にあげた、1.も2.も、
1.「この人は刺激をくれない」
2.「この人は年をとった自分を愛さない」
という感情は、対人関係において、あまり持っても特にならないも
のであり、それはパートナーでなくても多かれ少なかれ、誰かに対
して、同じような感情を感じるはずです。
「生きていく」とは、「いつかは年をとって死ぬ」ということです
から、実は、誰もが多かれ少なかれ、怖いと感じます。
前回以前にお話したとおり、年をとることの本質は
「発展すること」
であり、あなたとあなたのパートナーとの関係も、例外ではありま
せん。
パートナーとの関係をどう、発展させていきたいか?
これをもってみてください。
また、パートナーに対して好奇心を持ちつづけてあげること。
これだけで、パートナーシップの間に老化やマンネリはほとんどな
くなるはずです。
あなたが持つ恐れを、手におえないときは、僕たちに相談してくだ
さい。
一人で悶々とするしかない状態に、自分を追い込む前に。
次回は、セックスレスの問題について、「年をとること」との関連
を見てみたいと思います。
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