人生も30代後半から40代になると、様々な節目がやってきますね。
たとえば、サラリーマンだとぼつぼつ管理職に昇進したりします。自営で仕
事をされている方だと、信用がどんどん大きくなっていって、大きな仕事や、
やりたかった仕事が舞い込んできたりします。また、家庭では、子供が進学
や就職で家を出たり、社会人になって独立したりしていきます。また、マイ
ホームを手に入れるなんていうのもありますね。
今まで、目標としていた大きなことが、次々と現実化していく時期なのです
ね。
先日、2人の女性カウンセラーと食事をしていて、話題が子育ての話になり
ました。
Aカウンセラーの一番下のお子さんは大学生、Bカウンセラーの一番下のお
子さんは小学生です。
Aカウンセラーいわく、「子供が小さい頃は早く大きくなって欲しいと思っ
たけど、大学生になると、何となく寂しい感じがするねん」
Bカウンセラーいわく「子供には早く大きくなって欲しいと思う気持ちしか
ないわぁ~」
子育ては、お母さんにとって自分の全てを賭けて取り組む大きな仕事ですね。
子供を育て上げる事、子供を持ったその日からそれがお母さんの大きな人生
の目標(目的)になるようです。
もちろん、お父さんにとってもそうなのですが、より子供と接するのはなん
といっても多くの場合お母さんなので、人生の中で子供が占める割合はお母
さんの方が圧倒的に大きいですね。
自分の人生の目標(目的)としてきた子育てが終わってしまう。それを成し
遂げる事を目標としてきたはずなのに、何かそこには寂しさを感じる・・・
この気持ち、僕にも分かるような気がしました。
目標を達成してしまうこと、そこには達成感や充実感、安堵する気持ちなど
ポジティブに感じる気持ちも当然たくさんあると思います。
でも、そこでついつい感じてしまうネガティブな気持ちは、目標を達成して
しまうとあたかも人生の次の目標が無くなってしまったような感じになって
しまうからではないでしょうか?
そして、その目標が自分の中で大きければ大きいほど、人生の目標が無くな
ってしまうような感覚が大きく脹らむのかも知れません。
そんなとき、顕在意識的にかもしれませんし、あるいは無意識的にかもしれ
ませんが、その目標を達成しないような行動を引き起こしてしまう事があり
ます。
今まで一生懸命取り組んできたその目標を達成することにブレーキをかけて
しまうのですね。
何らかの人生の目標に取り組んでいるけれども、目標を達成しそうになると
なぜか急にうまくいかなくなってしまう、あるいは、急にやる気が失せてし
まうなどというパターンがある場合は、心のどこかで目標を達成してしまう
ことに怖れを感じている場合がとても多いです。
しかし、目標を達成したからといって、次の目標が本当に無くなってしまう
のでしょうか?
たとえば、「初めての海外旅行に行くぞ!」という目標を立ててそのお金を
貯めるために一生懸命働いたとします。そして、旅行会社でパンフレットを
集めて、インターネットであれこれ調べて、目的地を決めて、ガイドブック
を買って「全部楽しんでやろう」という意気込みでその目的地の研究をしま
す。
この旅行前に頑張りながらお金を貯めて、目的地を決めて、ワクワクしなが
らガイドブックで研究して・・・という過程が実は一番楽しいと感じる人が
とても多いのですね。
そして実際に海外旅行に出かけて、いっぱい遊んで、帰りの飛行機の中では
疲れから爆睡ですね。
目標を達成したわけです。
でも、それで終わりではないのです。
その海外旅行が楽しければ「よし、今度はこんなところに行きたい!」と次
の目標が出てくるのではないでしょうか?
あるいは、海外旅行ではなくて「こんな事がしたい!」というものが出てく
るのではないでしょうか?
人生の目標もまた然りです。
自然の流れの中から次の目標が必ず出てくるものなのです。
それほど、私たちの気持ちは空白を嫌います。
それほど、私たちの気持ちは情熱的なのです。
さて、皆さんが一番怖れている人生の目標があります。
それは、幸せになる事です。
幸せになってしまったら・・・それがもう頂点で後は坂道を転がり落ちるし
かないと感じたり、幸せになってしまったら・・・誰かに悪いと感じたり、
幸せになってしまったら・・・誰かのせいで今のこんな私になったと言えな
くなってしまうと感じたり、様々な感情を使って我々は人生の大きな目標で
ある幸せになるという事を遠ざけようとします。
でも、大丈夫です。
幸せになったとしても、心配しているような事は決して起こりません。
そして、人生の目標も無くなってしまったりしません。きっと次の大きな目
標が自然とやってきます。
怖れずに、幸せになっていきましょう。
そして次なる目標にまた情熱を傾けていきましょう。
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