メタボリックシンドローム!~優しくしてください~

「今日の検査はコレで終わりか?数字悪くなってる?薬ちゃんと飲んでるか
って?俺は長生きしたいっておもてないんや。
コロリと行かせてくれへんかなぁ・・・。」
そんな声が、今日も検査室から聞こえてきます。
看護師さんが明るく「だからぁ。言ってるじゃない、糖尿病が悪化したら、
コロリなんて却って逝けないんだからっ!」
仰るとおり。(多分・・・。)


だけど。
患者さんの言い分も、仰るとおり。
あなたの生き方をアナタが決めて、何が悪い。
ですが、病院に来られるということは、治療の意義も、少しは感じてくださっ
ているのでしょう。
ありがたい限り。
メタボメタボ、と、大流行ですが。
メタボリックシンドローム、実は、内臓脂肪症候群という和名がしっかりある
のはワタクシ、実は、最近知りました。
年々変わる社会情勢を含め、医療の世界から人々へ向けたメッセージとして。
‘生活習慣病’という響きは、自分自身で何とかできるから、自分の健康は自
分でなんとかしないとねっ!という意味合いもきっと含んでいるのでしょう。
40の声を近くに聞き、ちらほらちらほら、体調の変化に自身も気づき、訴え
をちらりと聞くことも増えます。結局のところ、どんなに否定したとしても、
現在を生きている私たちが指標とする拠り所は‘数字’。
わたし達は、なにかを表したいときに、伝えたいときに、数字という指標が一
番‘客観的’である、と認識しているようです。
空腹時血糖値
ヘモグロビンA1c
血圧
コレステロール。
日本人のうち、‘糖尿病’と括られる人の数。
(学生時代の試験のよう!!!)
からだの変化を教えてくれる‘声’がとても小さい小さい時にでも、いまの科
学では、‘数値が平均的なところから、外れてますよーーーーっ!’と、とて
もとても親切に教えてくれます。
これほど国をあげて、(世界的な流れのようですけれど)「メタボ!」をキー
ワードに(少し過剰?とも思いますが)健康への関心を高めさせるのは、実際
的に医療費、というおカネの問題も実際にあるのでしょう。
ですが、個人の人生に落とし込んだ時には。
これはあくまで可能性なのだけど。
身体が、私の味方で居てくれるかどうか。
私とともに、生きてくれるかどうか。
私の可動範囲が狭まるかどうか。
メタボリックシンドローム、それだけで、身体的ななにか問題が具体的に起き
てくるわけでなく・・・。
もしかすると数年後に起こるかもしれない、大きな身体上の問題、が、予測さ
れる、ということで。
身体能力、それは決して、人の価値を決めるものではないですが、あったと感
じていたものが、なくなってしまう、それが健康という感じ方であったとしても、
喪失の痛みは、身体もさながら心(気力や気分)に響きます。
実際のところは身体能力に関係なく、精神(スピリットのようなもの)は存在
していて、素晴らしい輝きを常に放っているとは、たくさんの例から感じます
が。
ただ・・・、ね。
数字は数字でしかないけれど、いま、元気でも、数字の上がり下がりで、気持
ちが傷ついてしまったり気分が落ち込んでしまったり。
数字が悪いのをみて病気になる、体調が不良になることもある
んちゃうかなぁって思います。
<ココからココまでが正常です。アナタは少しだけ、正常から外れて異常で す。>
言われても、受け取り方は千差万別ですものね。
身体というのは、ほんまに不思議な世界です。
薬剤師さんとしても仕事をしている私としては。
おくすりお渡しするときに、思うんです。
下を向いて、ただの作業にしてしまえば、それはそれで終わる
んですけど。
ガサゴソと要領悪い私の手許を見られる目、ふと顔をあげて見
える目は。それは、私を非難する目ではなく。
ご自身の検査結果を手にもって、ご自身の未来を不安がられる、目。
怒られても、頑張っても、周りにどれだけ気を使っても、外食を断っても、楽
しさを削っても、「よくなっ」てないんだよ。(悲)
だって、習慣を変えられないアナタの為を思っているのに。
というのは重々承知の上。
でも、からだもきっと頑張ってくれていたんです。
メタボと言われる今日よりも、もっともっと昔から。
お母さんのお腹に中に入った時から。
お願いします。
誰か、優しくしてください。
そんな切ないエネルギーを時々、感じるのです。
身体だって内臓だって、数十年も一緒に、頑張ってきたんですもの。
数十年も、支えてきたのですもの。
行動を変える。
習慣を変える。
まさに、無意識が覚えていることを、変えていく。
これはなかなか!
本当のところとても大きな「作業」でもあると私はおもってしまうのです!
傍が思うほど簡単なことでなく。
伴走は居てもいいのかなと、思います。
居るのはとても大切なことなのかなと。
どうか、みなさまお大事に。
それは、お体だけでなく、こころもそして、人生も・・・。
カウンセラー兼薬剤師さんは、こころと身体の両方が、どうも、気になってし
まうのです・・・。
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