「復職」前の「怖れ」を乗り越えるために大切なこと

◆在職しているのに「休んでいる」状態で感じやすい感情

「病気休暇」「育児休暇」「介護休暇」等の理由で、いったん職場を離れて「休職」することがあると思います。「権利」として認められているとはいえ、「職場を離れる」わけですから、いろいろな不安を感じるのは「いたしかたないこと」なのかもしれません。

例えば、
自分が抜けることで、周りの人間に迷惑をかけてしまうのでは?
職を離れている間に、自分だけ「取り残される」のでは?
いないのが「あたりまえ」になってしまい、「不要」な人間になるのでは?
職を離れた後、また、仕事に戻ろうという気持ちになれるだろうか?
復帰するときに、「迷惑」だと思われないだろうか? 等々。

このような不安に加えて、様々な事情があるにも関わらず、程度の差はあっても「休んでしまって、申し訳ない」「在職中にも関わらず休んでいる」という「罪悪感」も感じやすくなります。

こういった感情は、休職中、心のどこかで感じ続けていることが多いように感じます。しかし、目の前にもっと大きな問題(病気を治す、子どもを育てる、介護するなど)がありますから、表面的には復職への不安や、休職している罪悪感を感じている実感はなくなります。

◆復職を意識したとき、今まで抑圧していた「感情」が表面化する

状況が変化し、病気が治る、育児休暇の期限が切れる、介護休暇を取らなくてもいい状況になる等になった時、「復職」という言葉が頭に浮かびます。そして「復職」を意識したとたん、今まで抑圧していた「不安」や「罪悪感」が表面化してきます。

すると、「復職」してやっていけるんだろうか?という不安も生まれやすくなるのです。

もちろん、不安を感じる人だけでなく、「早く仕事に復帰したいっっ!」と前向きな気持ちで、ワクワクしながら「復職の日」を待つ、という人もいます。そういった心境にある場合、復職の日に向けて職場の人に事前に連絡を取って、情報収集したり、復職後のことを具体的にイメージして、どんどん準備を進めるので、ワクワク感がどんどん高まっていくので、「復職」にプレッシャーを感じることはあまりありません。

◆「復職」がプレッシャーになりやすい人

「仕事」に対して責任感を持つのはいいことですね。ただ、この「責任」を感じすぎる場合、「復職」へのプレッシャーは大きくなりがちです。

休んで迷惑をかけた分、今まで以上にたくさん働かないといけない。
休んで遅れた分を取り戻すためにがんばらないといけない。

そのような思いが強くなりすぎて、実際の業務以上の仕事をこなさないといけないような気持ちになるからです。「復職」前から、「やるべきこと」のプレッシャーを強く感じすぎて、心が疲れてしまうのですね。

◆「復職」へのプレッシャーを感じやすいときに意識したいこと

「復職」することが決まって、「ちゃんとできるだろうか?」「迷惑かけないだろうか?」等の不安を感じる時は、「できないこともある」という状況を怖れるのではなく、いったん受け入れてみようと意識することが大切です。人は「完璧にやらないと・・」と自分にプレッシャーをかけすぎると、普段できることも失敗しやすくなります。

それは、まるで、満杯の水が入っているコップの水を飲もうとしている時に、「一滴もこぼしちゃダメ!」とプレッシャーをかけられたため、手が震えて水をこぼしてしまうようなもの・・かもしれません。

余計なプレッシャーを弱めるために、以下のような考え方をしてみてもいいと思います。
 
・「復職」直後は、過去の自分よりもペースが落ちることもある
・「ベストを尽くす」ことは大事だが、「結果」が伴わないこともある
・困ったら助けを求めてもいい。
・わからないことは聞いてもいい。

◆「復職」は、今までの生き方、働き方を変化させるチャンス

一度、職場を離れて、再び戻るということは、大変なことかもしれませんが、職場を離れていた分、以前どおりの自分でなくても、「受け入れてもらいやすい」環境でもあります。
休職前とは、プライベートでも以前と状況が変わっていることもあるでしょうし、休職中の体験や経験から、物事の見方、考え方が変わっているかもしれません。

今の自分のライ不スタイルに合わせた働き方に変えてみる、不慣れな仕事に戸惑ったら助けを求めてみる、等、以前とは違った「働き方」をすることで、新たな可能性が広がるかもしれませんね。

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