よりよいリーダーとなるために必要なこと(10)~小さなゴール(達成感)が成功へ導く~

突然ですが、あなたは後輩を育てるのは得意でしょうか?
上手に後輩のやる気を引き出し、また後輩が自分自身で考え自発的に動けるように意欲を持たせたり、自信をつけたりするサポートは得意でしょうか?『よりよいリーダーとなるために必要なこと』と題してお届けしている本シリーズは、第5回までは「経営学の父」と呼ばれ、著書『マネジメント』で有名なドラッカーの教えから、”リーダーシップ”について5回に渡り考察してきました。
そこではリーダーとして心構えであったり、概念であったり、大切な要素であったり、というような、素質や姿勢に焦点をあててきました。
そして、第6回からは”実践編”として、実際に「育てる現場」で起こる問題に対しての対処法として『育てる技術を磨く』ということを軸にお届けしています。”実践編”で過去にお伝えしてきたのは、下の4点。

・やる気や根性ではなく「行動」をみる(第6回)
・「知識」と「行動」は分けて教える(第7回)
・「分かりました!」の返事を鵜呑みにしない(第8回)
・「具体的な行動」で指示を出す(第9回)

”教える”時に重要な【誰が、いつ、どこでやっても、同じ成果が得られる為に、どうすればいいか?】がコンセプトになっています。

業種によってもまちまちだとは思いますが、それでも「新人さん」や「メンバー入れ替え」はは定期的にやってくるもの。
その新しいメンバーが「自分のやり方」「自分のこだわり」をもって業務を効率よく遂行することは大切ですが、
最初から個人の裁量や、個々の過去の経験値に頼るのではなく、

【誰が、いつ、どこで】行っても一定の成果を上げる”仕組み”を作ること

が何よりも重要なのです。

では、今回は”実践編”の第5弾は、「達成感の継続」についてです。

●達成感の継続が、大きな成功に繋がる

「スモールステップ」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?
心理学の行動療法だけでなく、リハビリなどの理学療法や作業療法、また子どもたちの学習指導などでもよく使われっる言葉ではないかと思います。

読んで字の如く「スモール=小さな」「ステップ=歩み」であるこの法則は、【小さな目標から少しずつステップアップし、大きな目標に達成していく】という考え方です。

業務の月間や半期のノルマや売上、1つのプロジェクトを成功に導いたり、チームとして何かを形にしたり、
日常的な事で言えば「富士山に登る!」「フルマラソンを完走する!」「年間100冊本を読む!」など、大きな目標や、長期的な目情を達成しようとするときに有効なのが、この『スモールステップ』という法則です。

「千里の道も一歩から」ということわざがありますが、結果だけを見た時に、「あまりに目標が高すぎて今の自分とは程遠い」と感じるものであるほど、この「スモールステップの法則」で取り組むと、とても1歩がシンプルになり、最終的な目標達成が容易になります。

この「スモールステップ」の細大の効果は”達成感”が得られること、にあります。
人の成長や成功は、階段を1段ずつ上がっていくことに例えられることが多いですが、
最終的な大きな目標(屋上)に繋がる小さな目標とう「階段」があり、その小さな階段を1段上ることで”達成感”が得られ、
その達成感が”成功体験”となり、さらに前に1段階段を上がる原動力になります。
そうして得られた、達成感や成功体験は、その人の”自信”に繋がりますので、またさらに1段階段を上りやすくなったり、次の目標が簡単にクリア出来なくても、心が折れることなく、チャレンジを続けていくことができるのです。

大きな目標は、最終ゴールとしてそのままあって構いません。
そこにたどり着くために、まずどんな「小さなゴール」を作ることができるのか?を考えるのが、指導をする側の課題といえるかもしれません。

多くはいきなりを「実行する本人(部下)」に考えさせようとしてしまいますが、それはあまり効果的ではありません。
なぜなら、登山が初めての人に「富士山に登る装備を揃えろ!」「体力アップの計画を立てろ」といっているようなものですから。
それを言われて、自分で調べて動ける人は一握りで、そもそもそうした人への指導があなたを悩ませることはないですよね?

上司であるあなたと、部下とが相談して「小さなゴール」を設定しましょう。
ここでの「小さなゴール」は最初は特に、「ちょっとだけ頑張れば達成できる」という難易度のものがオススメです。

そして部下がこの「小さなゴール」をきちんとクリアできているかどうか?をチェックし、
達成できていればともに喜び、評価し、そして次のステップ(小さなゴール)に進むというのが理想的です。

もしクリアできていない場合には、「どこがうまく行かなかったのか?」「何が難しかったのか?」を分析し、更に小さな目標に噛み砕いて設定していくことが大切です。

部下1人1人に対し、まずどんな「小さなこと」ができるのかを考えましょう。
そこから1ヶ月後には、どういうことが できているといいか?
その為には、1週間後にはどうなっていればいいのか?
その1週間後の状態をクリアできるために、「今日」できることはなんだろうか?

こう書かれると「難しそう」と感じられるかもしれませんが、ここでもポイントは「スモールステップ」
「よりよいリーダー」への道も、小さなゴールの積み重ねの先にあるものですから、

まずは、今日、自分に出来ること

を設定して、取り組んでみてくださいね。

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この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係、自己啓発、ヴィジョン、ビジネス心理を得意とし、”少しでも楽に・簡単に・シンプルに”をモットーに、分かりやすい心理分析と日常的に無理なく取り組める提案を行っている。 その人本来の輝きや、問題の先にあるヴィジョン(幸せな未来や才能)を引き出すカウンセリングが好評である。