なぜか?それは収入があがることによって「承認された」と思えるから。
そして、地位が上がることによって「承認された」と思えるから。
人間には承認されたいという欲求がある。
だから、自分では頑張ったと思える仕事に対して、収入が少ないと「承認されていない」と感じ、不満が出てくる。
できの悪い上司よりも、自分は仕事ができると思うと「あの上司には役職があるのに、どうして俺にはないんだ。俺は承認されていない」とまた不満が出てくる。
反対に言えば、承認されていると感じることができれば、収入に多少不満があっても、地位に多少不満があっても、仕事へのやる気は減らない。
リーダーが、他者を承認することができれば、そのチームメンバーのやる気は上がる。
ところが、リーダーも人間なので、リーダー自身が「承認して欲しい」という欲求を前面に出してしまうことがある。
「もっと俺を承認してくれ」「もっと私を認めて欲しい」
そうすると、リーダーよりも承認して欲しい部下たちは、やる気をそがれてしまう。
どうチームメンバーを承認するか?
そもそも、承認とは何か?
承認するというのは、簡単に言うと、褒めることです。
相手の素晴らしいところを褒め、相手の存在を認めると言う事です。
人間の承認欲求というのは、とても強くて、承認されない、褒められない、認められないでいると、だんだんと腐っていってしまいます。
人が一番傷つくのは、悪口を言われた時でもなければ、殴られた時でもありません。
存在を無視された時です。
リストラ対象者となってしまった人に対して、やってもやらなくても同じというような仕事を与えて、精神的に追い込んだりするというのがニュースになったりもしましたね。
それは、仕事とは呼べないようなことであり、「君は会社には必要ないよ」ということを、相手に伝えて精神的に追い込んでいくのです。
これは、もの凄く忙しい仕事を与えられるよりもつらい。
承認欲求を刺激するのは、相手を追い詰めるためではなく、相手のやる気を出すために使いたいものです。
さて、みなさんならどう褒めますか?
褒められることに慣れている人は、褒めるのもうまいかもしれません。
でも、褒められることがほとんどなかった人にとっては、誰かを褒めるというのは、なかなか難しいものです。
褒め方がわからないというのもありますし、褒めようとすると、自分が褒められたことがないのにという心の痛みも出てきます。
「子供じゃないんだから、褒められて動くなんてどうなんだ?」
そんなことも思うかもしれませんね。
でも、子供であれ、かなりの大人であれ、褒められると嬉しいのは、人間に共通したことです。
褒められるというのは、「存在してくれてありがとう」「あなたが必要です」と言われていることと同じですからね。
いざやろうとすると難しいかもしれません。
でも、承認力はリーダーには必須です。
「こいつの、どこを褒めればいいんだ?」
そう頭を抱えたくなるような人がいるかもしれません。
でも、その褒められない部分を叩いても、相手の承認欲求は満たされませんから、相手の態度は悪くなるばかりです。
さて、どうすれば褒められるのか?
何か、褒めるポイントはないのか?
○○さんなら、どうやって褒めるだろう?
頭を悩ませて下さい。
また、普段から自分のことを承認してくれるリーダーがいたとしたら、何か注意しなくてはいけないことがあって注意しても聞いてもらえます。
でも、普段から自分のことを、まったく承認してくれないリーダーに、何か注意されると、人は聞く耳をもちません。
誰かのことを承認するというのは、「あなたのことが好きですよ」と言っているのと同じことです。
好意の返報性というのですが、人は、自分に好意を示してくれる人のことを好きになりやすいものです。
これは何も男女間だけのことではないのです。
同性であっても、好意を持たれるのは嬉しいものです。
そして、敵意を持たれている人には近づきたくなくとも、好意を示してくれる人には近づきたいと思いますし、その好意を示してくれる人の役に立ちたいとも思います。
そして、好意を示してくれる人の話しには、耳を傾けますが、敵意を示してくる人の話には、耳を傾けないのも人間です。
リーダーに大切なのは、承認力ですが、リーダーでない人にとっても承認力は、やはり大切ですので、ぜひ承認力を身につけて下さいね。
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