怖れを乗り越える方法（１）～考え方のクセを見直してみよう～

何を不安に思うかは、人それぞれです。
ビジネスのシーンにおいても、人により様々な不安を抱えています。
例えば、出社する事が怖い、通勤の電車に乗ることが怖い、会社での人間関係が怖いなどから始まり、訪問先でお客様に断られることが怖い、解雇されることが怖い、仕事でミスする事が怖い、業績が悪化する事が怖い、運転資金が枯渇する事が怖い・・・・。
それらの事柄に対して不安に感じているか否か、そして不安を感じている場合その強さの度合はどうかは人により異なりますが、多くの人が何らかの不安を抱えているのではないでしょうか。
それらの不安が何らかの問題を引き起こしていると自覚している場合はもちろん、問題を引き起こしているとまでは思っていなくてもひょっとしたら好ましくない影響を与えているとしたら、その不安と向き合う事で自分の行動パターンを変化させることができ、新しい展開が生まれるかも知れませんね。
不安（怖れ）は、人生の前進を阻む大きな罠です。
もちろん、社会生活を送る上で怖れが私たちの身を守ってくれることもたくさんあります。
例えば、「炎に手を近づければ火傷する」という怖れから、私たちは炎を警戒しながら取り扱い、あるいは必要以上に炎に近づく事はしません。
しかし一方で、「ああなるのではないか」「こうなってしまうのではないか」といった、起こるかどうかわからない思い込みや決めつけにより怖れを抱いて立ち止まってしまう事がとても多いのも事実ではないかと思います。思い込みや決めつけは考え方のクセであり、今抱いている不安や怖れが自分の考え方のクセによるものかどうかは客観的になって自分でチェックしてみるといいかと思います。
その観点としては、
(1)自分の過去の失敗を拡大解釈（過大に捉える）していないか。
(2)自分の長所や成功を過小評価していないか。
(3)１つの失敗や嫌な出来事を根拠としてそれを一般化していないか（同じような事が起こると考える、あるいは何でもそうなると考える）
(4)白か黒かという２値で物事を捉えていないか
(5)「すべき」「しなくてはならない」というプレッシャーを自分にかけていないか
(6)様々な関係性で起こる事を「自分の責任」と引き受けてしまってはいないか
(7)「～に違いない」と根拠なく結論づけていないか
(8)悪い予測をエスカレートさせていないか
が挙げられます。
もし、これら８つのいずれかの施行のクセによる不安（怖れ）があるとすれば、それは人生を前に向かって進ませないようにしているものである可能性がとても高いと考えられます。
そのような場合には、考え方のクセに対する反証を自身で試みる事です。
そのやり方の例として
「私は仕事のミスが多い」と思っていて、会社にいるときに「上司に叱られるのではないか」といつも思っていたとしましょう。
以下【自】はそう思っている自分、【反】は自身の反証者の立場です。
【自】「私は仕事でミスが多く、きっと上司に叱られる」
【反】「仕事のミスが多いってどれぐらい多いの？」
【自】「１日に２～３回」
【反】「どれぐらいの仕事量のうち２～３回なの？」
【自】「１日に２０００件のデータ入力のうち」
【反】「0.1～0.2％は高い数字？」
【自】「低くは無い」
【反】「それが業務にどれぐらい支障をきたしている？」
【自】「ダブルチェックしているから結果的に影響していない」
【反】「何のためのダブルチェックなんだと思う？」
【自】「人間は１人でやるとミスをするから」
【反】「ミスのハードルが厳しすぎない？」
【自】「そうかも知れない・・・・」
【反】「最近、上司に叱られた事は？」
【自】「無い・・・」
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私たちの思い込みや決めつけはいつも必ず主観的です。
第三者的な立場、客観的な立場に立って物事を見詰め直す事で不安や怖れが幻想である事を理解し、それを打ち消す事ができる場合もあります。