越えられない壁を越える方法

『もうどうしたらいいかわからない』高い高い壁にぶつかったような問題に直面してしまった。そんな解決できない仕事の悩みにぶつかったとき、あなたはどうやってそれを乗り越えますか?

◎相談できない悩み
資金繰りが回らない、売上目標を達成できない、商品が納期に間に合わない。仕事をしていると、どうしても乗り越えられない問題というのがあります。

そんな「もうどうしていいかわからない」と思い悩む時、もっとも苦しいのは、気持ちを誰にも打ち明けることができないことかもしれません。

酒でも飲みながら上司の愚痴を言い合うくらいならいいのだけれど、本気で仕事の悩みを打ち明けるなら同僚とはいえライバル、弱みを見せるようなことはしたくないという気持ちも働くかもしれません。まして家族や友人に仕事の話をするのは気が引ける。「仕事を家に持ち込みたくない」と考える人も多いでしょう。

けれど、問題というのは言葉にして吐き出すことで整理され、心に溜まったモヤモヤも幾分解消されるもの。吐き出せずに鬱々とした気持ちは心の中に蓄積されていきます。

解決しきれない問題に直面する時というのは、問題の本質的な部分とは別にこうした心的ストレスも私たちを疲弊させる原因となるのです。

◎壁にぶつかる日は必ずやってくる
悩みを誰にも相談できない人の中には、仕事の問題は自分ひとりで解決するのが当たり前だと考えている人が多いようです。たとえひとりでは抱えきれない問題に直面しても、上司には「そんなことは自分で考えろ」と切り捨てられそうだし、評価が下がる気がしてなかなかなかなか言い出せない。先輩や同期に相談しようとしてもみんなそれぞれ自分の事で精いっぱいに見えるからそれも気が引ける。

そうやって解決しきれない問題がひとつまたひとつと積み重なっていくうちに、ますます手が付けられなくなっていく。責任感が強くて真面目な人ほど、こうしたスパイラルに陥りやすいようです。

確かに、直面した問題を自力で解決できることに越したことはないのですが、誰にだった越えられない壁というのはあるもの。とりわけ実績を残すほど、会社から求められる成果は高くハードになっていくので、どんなに能力の高い人でもいずれ越えられない壁はやってくるものです。

例えば、伸び盛りの会社というのは毎年前年比を上回る業績目標を立てる傾向にありますが、毎年120%の成長を続ければ5年で業績は2倍、10年で3倍、15年で4倍、そんな風に成長していけば必ず伸び悩む時期が来ます。

それは個人も同じ。

入社1年目には吸収することが多く大いに成長を実感できたのが、3年、5年、10年とキャリアを積むごとに成長の度合いは小さくなってきます。それが当たり前なのですが、私たちはそれを受け入れられない。乗り越えられないのは努力が足りないからだと考えて一層ハードワークに嵌ったり、将来が見えたような気がして不安になったり、モチベーションをなくしたり。

高い目標や理想をもった上昇志向の人ほど、やがてぶつかる壁は高く、抱える悩みも大きくなってしまいます。

◎越えられない壁を越える方法
社会人として働き始めた頃の私たちは、まずは一人前のビジネスマンとして自立することを期待されました。先輩や上司にフォローしてもらわないことが一人前の証であり、助けを求めるのはかっこ悪いことと考えたりもしました。

やがて業務に精通し、ほとんどのタスクをひとりでこなせる頃になると「独りでやれる」という自信と「人には頼らない」という信念が身について、遂には誰にも相談しない、相談できないというメンタリティが形成されていきます。

そしてぶつかる乗り越えられない壁。

「そんなはずはない」という思いや、「今さら人に頼りたくない」という気持ちが広がって行き詰まってしまうのですが、そんな時に、越えられない壁を越える方法はひとつ、「助けを求める」ことです。

それは屈辱的でかっこ悪く、時に情けないことのように感じることかもしれません。
たとえ助けを求めても、そう簡単に解決できるような問題じゃないと思うかもしれません。

けれど本当にそうでしょうか?

もしかしたら相談をした相手がいとも簡単に問題を解決したらどうしよう、と思ってはいませんか?
もしそうなったとしたらこれまで自分が苦労してきたことが台無しになってしまうように思ってはいないでしょうか?

「どうしたらいいかわからない」

ひとりで越えられない壁にぶつかって途方に暮れる姿というのは、自己記録に挑戦するアスリートの姿に似ています。

例えば、100mを10秒で走る選手が、自己ベストをあと0.1秒短縮するのは至難の業です。それは乗り越えるにはあまりにも高く、分厚い壁のように見えるでしょう。それが極限まで高められた目標というものだと思います。

けれど、アスリートの場合、その壁をひとりで越えていこうとはしません。それには多くのトレーナーやコーチ、最新の技術を提供するシューズメーカーの開発者たちがチームになって、選手だけでは越えられない壁を乗り越えさせるためのサポートをします。

仕事で壁にぶつかった私たちにも、アスリート同様にコーチやトレーナー、サポーターのような存在が必要なのです。

それは、悩みを聞いてくれる家族かもしれないし、あなたの知らない専門知識を持った友人かもしれません。

誰かに頼るくらいならどんなに時間をかけてもひとりでやる、というこだわりを手放して、まずは、ひとり壁に向き合うのをやめてみること。

壁を背にしてあなたの周りに目を向けてみれば助けになる支援者の存在をきっとみつけることができるはずです。

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