あなた自身のカラーを知っておく~過剰適応にならない為に~

「長いものには巻かれろ」そんな諺があります。

事実、会社に入ればその会社のやり方、上司のやり方、取引先の希望のやり方など、実質自分よりも大きな力を持っている関係性の中では【相手のカラーに染まること】を求められる場面は多くあります。
そうした中では、自分個人を抑えてでも周りに合わせる事、「仕事だから」「社会人だから」と自身の感情を飲み込む事は、そうした環境の中で生き残るには必要と考えられたりもします。
職場も取引先との関係も、基本は”集団での人間関係”が基になりますので、全てが自分の思い通りにすることは出来ませんし、何よりも集団の利益が優先されるのも、当然の事と言えるかもしれません。

しかし、自分自身を押し殺し「よい会社人間」という仮面を被ってしまう人ほど、ある日燃え尽きてしまう事があります。

●「会社人間」という名の過剰適応

上司の期待に答える、会社から求められている人材となる、お客様や取引先から求められるような自分になる、養う家族の為に頑張る・・・。
そうした人たちは責任感や使命感の強い人であったり、負けず嫌いな人であったり、秩序を重んじたり他者への配慮が出来る人であったりするので、会社側から見たときには「あぁ、頑張ってくれているな」と高評価をされやすい人材でもあります。
中には、新しい仕事、新しい環境に適応するのがとても早く「こいつは仕事が出来る」と評価される人も。

もちろんそれがその人自身の喜びや達成感に繋がっていれば、頑張れば頑張るほど自身の人生が充実していくので人生がよりカラフルになっていきます。
しかし職場での上司の評価が自身の会社での存在意義として感じれたり、会社内での地位が自分の唯一の称号・勲章の様に思えたり、休む暇もないく身をすり減らして働き会社の方針や指示や命令に忠実な社員として受け入れる事が当たり前になっている人の場合、

『自分とはどういう存在で、自分とは何か?
 自分はこの仕事を通じてどう成長したいのか?
 この会社での経験や努力は自身の人生にどう役立つのか?』

というその人自身のカラー(アイデンティティー)が確立されにくい為、環境の変化や周囲の人間に振り回されてしまい、達成感や充実感よりも義務感や疲労感ばかりがましてしまう場合が多いのです。
それは自分のカラーを打ち消して、周りのカラーに染まるカメレオンの様なもの。
変幻自在にカラーを変え続けていると、「元々の自分の色はなんだったのか?」が分からなくなってしまいます。

例えば、職場の期待に応えようと頑張り続け主任に昇進。部下に負けないように頑張ろうと、自分の許容量をわきまえずついつい頑張りすぎてしまい・・・ある日突然気合だけでは体が動かなくなってしまった。
例えば、中間管理職となり立場上、自身の上司の命令と部下の突き上げにあって、その両方を気遣い続ける中で・・・心がすり減ってしまい仕事どころか日常生活を送る意欲さえもわかなくなってきた。
例えば、新しい環境で心機一転!まずは一人前になる事を目指して教えられる事、指示される事に応え続けて行こうと頑張っていたが・・・その内それがノルマの様に感じれてしまい常に次の課題、次の目標に追いかけられている様に感じて心が折れてしまった。

など、一見すると「あんなに頑張っていた人がどうして突然!?」という風に思われがちですので、周囲の上司や同僚とお互いの健康状態に目を配ったり、不満や疑問を溜め込まないで済む風通しの良い人間関係を作ることが大切ですね。

●燃え尽きてしまわない為に

「会社人間」の枠にはまり過ぎて燃え尽きてしまわない為には

【会社での評価=自身の価値】

という会社と自分を一体化したアイテンティティーを弱めて行く事が大切です。
会社中心の価値観と生活パターンをほんの少し見直して、休日を趣味などの活動に時間もエネルギーも注いでみたり、職場の肩書きを捨てて自分自身に戻れるプライベートな場所や時間を作ってみたり、時には思い切って有給などを使ってでも自分自身を休ませてリセットするような休養を自身に許してみたり。。。

そんなあなた自身のカラーを大切にした時に、あなた自身が会社に貢献し還元出来るのと同じ様に、会社もあなたの人生に貢献し還元出来る関係になります。

「自分は会社に雇われている側。会社は自身の労働力に報酬を払ってくれている」

というあなたの立場が弱い前提での等価交換なやりとりではなく、

「私が会社に選んでもらうように、私も会社を選んでいい。
会社が私の人生の全てではなく、私の人生を彩るカラーの1つとして会社がある」

そんな対等な立場から生まれるイコールパートナーシップです。

あなた自身は過剰適応に陥っていませんか?
あなたの部下は過剰適応に陥っていませんか?
よければあなた自身の「会社」への価値観をチェックしてみてくださいね。

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この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係、自己啓発、ヴィジョン、ビジネス心理を得意とし、”少しでも楽に・簡単に・シンプルに”をモットーに、分かりやすい心理分析と日常的に無理なく取り組める提案を行っている。 その人本来の輝きや、問題の先にあるヴィジョン(幸せな未来や才能)を引き出すカウンセリングが好評である。