また、「リーダーシップがある人」「リーダーに相応しい人」と聞くと、どんな人をイメージされるでしょうか?
●現在のリーダーシップの3つの形
一般的に職場で求められているリーダーシップは、大きく3つの種類に分けられる事が多いようです。
(1)指導力
「指導力」とは、人を育て、導く事の出来る人と言えるかもしれません。
営業や技術職といった専門的なスキルが必要な業務では特に、指導力のある人がリーダーとして頼りにされる傾向が多いようですね。
教育やスポーツの場面でもよく「指導力」という言葉が使われていますが、目標達成に向けてメンバーを育成して行くリーダーシップの形です。
(2)統率力
「統率力」とは、采配を振るい組織を動かす事の出来る人と言えるかも知れません。
トップダウン式の会社や、中間管理職などで多く見られますが、上に立つ実力者が指示を出し、会社や組織という大きな船の舵取りをして行くリーダーシップの形です。
戦国武将やカリスマ経営者と呼ばれている人達にも、この「統率力」が垣間見える事が多いですね。
(3)影響力
「影響力」とは、人を惹きつけ、人の心を動かす事が出来る人と言えるかもしれません。
「あの人について行きたい!」「あの人の為に頑張りたい!」と思われる様な、周囲の人から魅力的に見えたり、周囲の人のモチベーションを上げる事の出来る形のリーダーシップの形です。
人として尊敬出来る部分があったり、大きな理想やビジョンを持った人に、周囲の人はより良い「影響力」を与えられる事が多いようです。
●現代のリーダーシップの落とし穴
上記の3つのリーダーシップの形以外にも、決断力、行動力、コミニュケーション能力などもリーダーとして求められる事が多い要素かと思いますが、3つリーダーシップの形に共通するのは
『特定の秀でた能力を持ったリーダーが、チームメンバーや組織を動かしている』
という点です。
現代は終身雇用制度が神話であったかのように扱われる時代。
「同じ会社で一生涯勤め上げる」という意識や、高度経済成長期のように「みんなが同じ目的を持ってがむしゃらに働く」という意識が薄まっている時代です。
また100年に1度の不況で、自身の頑張りが”金銭的報酬”という分かりやすい形ではなかなか自分自身に入って来ないように感じる時代もであります。
すると、個々の”やりがい”や”達成感”をどう実感できるか?部下にどうその感覚を与えていくのか?がとても重要になってきます。
しかし特定のリーダーが力を持てば持つほどに、そのリーダーのやり方が「チームのやり方」「会社のやり方」になってしまう場合があります。
すると、そのやり方に合わない人が生まれてしまい、結果、組織や会社から離れてしまったり、燃え尽きてしまったりする事が起こるという悪循環が生まれてしまう可能性が高まるのです。
実際、カウンセリングの現場でもよく見受けられる問題です。
そこで、「リーダーが引っ張る」という3つのリーダーシップの形を補完する為に、新しく”第4のリーダーシップの形”が求められています。
●第4のリーダーシップの形とは?
新しいリーダーシップの形は『コネクター』です。
コネクターとは、「人と人とを繋ぐ人」という意味です。
パソコンであれば複数のUSBやLANを接続してそれぞれを有効に機能させる事の出来る「HUB」のような役割だったり、形状の違うメモリカードを読み込めるカードリーダーの様なイメージです。
皆が同じ価値観で、同じ目的を持っていれば、カリスマ的なリーダーが1人いれば全員突き進んでいけます。
しかし部署内やチームという組織集団の中には様々なタイプの人がいます。
その様々なタイプの人を、会社やTOPが求める1つの形の”枠”に当てはめるのではなく、それぞれの能力や才能を引き出し、チーム内で有効に機能できるように人と人とを繋いでいくリーダーシップが『コネクター』です。
個々の価値や得意分野を理解し、その能力を本人が発揮しやすいようにサポートしたり、応援してあげれるリーダー。
個々の意見を吸い上げ、それぞれが会社に貢献しているという実感を与えられるボトムアップ型のリーダーです。
時にコネクターの才能を持っている人は、今までのカリスマ的なリーダーシップとは違うので「自分は頼りない」「皆を引っ張っていけるほどのパワフルさがない」と自身を誤解してしまう場合があります。
しかし、「何故か部下や周りの人から慕われたり、相談を持ちかけられる。」という事があれば、その人にはコネクターの才能があると言えます。
あなたの組織の中で「コネクター」の才能を持っている人はいるでしょうか?
それはあなた自身かもしれませんよ。
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